著者からのメッセージ
加藤 陽子 先生
著者:加藤 陽子 先生
日本史に対する「問い」を常に念頭に置きつつ,先生方にとっては授業で教えやすく,また生徒にとっては深い理解を可能とする叙述を
さまざまな史資料を用いながら,私たちの生きる社会が歴史的に形成されてきたことを,代社会の形成と発展を中心として生徒に気づかせる科目,それが日本史Aです。
こう書くのは簡単ですが,何をもって近代とするのか考えただけでも,現在と過去を史資料でつなぐ作業がそう簡単ではないとわかるでしょう。
共同体や身分制が解体された社会,市場を軸とした再生産が可能となった社会,それが近代だといえそうです。いっぽう,吉野作造が考えたように, 国民自らが政治を「我がこと」として捉える意識の誕生をもって近代とすることも可能でしょう。
近代をどう捉えるかによって,そこで選択される史資料も異なってくるのです。
ある時期にある大きな変化が起こった要因は何だったのか,また,変化の特質はいかなるものであったのか。
このような「問い」を常に念頭に置きつつ,先生方にとっては授業で教えやすく,また生徒にとっては深い理解を可能とするような叙述を心がけました。