《イスラームを知る》2. 聖なる学問,俗なる人生 中世のイスラーム学者

価格
1,320円 (税込)
在庫: 在庫あり
解説: 聖なる学問に携わりながら,教師や裁判官などの職に就き,一般人と同じく俗世で生活したイスラーム学者(ウラマー)たち。彼らは国政から庶民の生活にいたるさまざまな局面で,イスラームの教えにそって社会を導く役割をはたしていた。現在も影響力を有するといわれるイスラーム学者の役割について,中世の東アラブ地域を中心に解き明かす。
ISBN:
978-4-634-47462-8
シリーズ: イスラームを知る 2
著者: 谷口淳一 
刊行:
2011年7月
仕様: A5判  ・  128ページ
このエントリーをはてなブックマークに追加
詳細をみる
目次:
イスラームを支える学者たち
第1章 イスラーム学者の登場
  クルアーン正典の結集
  アラビア文字の改良とクルアーン読誦学
  ハディース学と法学のはじまり
  ハディース学と法学の発展
  クルアーン被造説をめぐる異端審問
  伝統主義の勝利
第2章 学問修得の方法
  宗派の形成と学問修得方法の定式化
  読誦の重視
  口承・暗誦の重視とその背景
  師につくこと
  学統に対するこだわり
  より良い学統を求めて
  十四世紀ダマスカスにおける聴講記録
第3章 職業としてのイスラーム学者
  裁判官(カーディー)の仕事
  マクタブとマドラサ
  ワクフによる運営
  マドラサ教授
  マクタブ教師
  ファトワー集にみるマクタブ教師の関心事
  学問を活かす職業の是非
第4章 地域のなかの学者
  アブー・ジャラーダ家のアレッポ移住
  学者名家への道
  十字軍の来襲とアレッポの危機
  アレッポを救った裁判官
  宗派問題の激化
  アブー・ジャラーダ家に対する抑圧
  カマール・アッディーン・ウマル
  マドラサ教師と外交使節
  アブー・ジャラーダ家のその後
コラム
  01 十三世紀の読誦証明
  02 アッバース朝地方裁判官任命書のひな形
参考文献
図版出典一覧  
メッセージ・あとがき:
イスラーム教徒の考え方や行動の様式は,日本人の場合とはかなり異なっている。そこにイスラーム理解の難しさもあるし,同時にイスラームを知る意義もあるといえよう。現代の私たちは,グローバル化したイスラームの宗教や文明に向き合い,これをさらに深く理解する必要に迫られている。「イスラームを知る」シリーズは,全国的な共同研究「NIHU(人間文化研究機構)プログラムイスラーム地域研究」の成果であり,異文化理解へ向けて信頼ある案内役を果たしてくれるものと信じている。