《宗教の世界史》06.道教の歴史

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3,850円 (税込)
在庫: 在庫あり
解説: 中国人の精神の根源をなし、宗教・哲学・民間信仰を包含する中国の思想文化といえる道教。老子を根源とし、太平道、五斗米道、全真教など、歴史に沿ってその変遷を紹介する。
ISBN:
978-4-634-43136-2
シリーズ: 宗教の世界史 6
著者: 橫手裕 
刊行:
2015年3月
仕様: 360ページ
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目次:
序章 中国の歴史と道教
   「道教」という言葉/内容と歴史についての捉え方/
   近代以降の観点/伝統の「道教」と近代以降の「道教」/
   「宗教」概念と中国文化/「道教」の扱い方

第1章 道教の起源 先秦~後漢
 1 老子とは何か
   老子伝/老子への懐疑/『老子』の出土と現在の老子観
 2 黄老・老荘・道家
   「黄老」思想の成立/「老荘」の登場/「道家」
  コラム 文子・関尹子・荘子・列子・庚桑子
 3 神仙説
   神僊説と方僊道/秦の始皇帝と漢の武帝の愛好/
   神仙術/さまざまな技法
  コラム 緯書と道教
 4 鬼神と符呪
   鬼神信仰/呪符の起こり/禹歩

第2章 信仰と諸経典の形成 後漢~六朝末
 1 老子の神格化
   神仙老子/仏とともに祀られる老子/「老子銘」
 2 太平道と五斗米道・天師道
   太平道/五斗米道/三国時代以後の五斗米道と政治/
   北朝と南朝の天師道
 3 葛洪の金丹道とその周辺
   玄学と神仙道/葛洪/金丹術/帛家道・李家道と李弘の反乱
  コラム 道教と玄学
  コラム 六朝小説と道教
 4 三皇経・霊宝経・上清経の形成
   三皇経/霊宝経の成立/霊宝経の展開/上清経の形成/
   上清経の流伝と陶弘景
  コラム 存思の技法

第3章 統合と成熟 六朝末~五代
 1 道教・仏教の関係と諸派の融合
   『老子化胡経』と夷夏論争/南北朝の廃仏と廃道/
   三洞四輔説の形成と諸派の融合/文化・社会・民衆への影響
 2 隋唐王朝と道教
   隋唐王朝と道鏡・仏教/道官制度/道観制度/道挙制度
 3 隋唐五代の道士とその活動
   道教儀礼の整備と位階制度/道仏抗争の盛衰/
   隋唐五代の著名な道士
  コラム 楼観とその道士
 4 思想と道術の発展
   「道性」思想と「重玄」思想/諸道術の展開/道教と社会・文化
  コラム 道教的世界像の形成

第4章 変容と新たな歩み 宋遼金元
 1 宋遼金元王朝と道教
   宋王朝と道教/遼金元王朝と道教/宋代の道教制度/
   遼金元の道教制度
 2 江南の経籙三山と華北の新興三派
   龍虎山正一教/茅山上清派・閤皂山霊宝派・南昌西山浄明道/
   太一教と大道教/全真教
 3 内丹と道法
   宋元時代の金丹術/南宗と北宗/「道法」の諸派/
   霊  
刊行にあたって:
テロの脅威とともに明けた21世紀。世界では局地的な戦争も多発し、これらさまざまな対立の背後に、「宗教」の影が見え隠れしています。宗教は現在の世界を考えるうえで、不可欠な要素です。

本シリーズでは、単に各々の宗教の歴史を通観するのではなく、人びとの生活のなかに息づく信仰に踏み込み、各宗教の地域的な広がりにも着目して、現実に宗教が人間の歴史にどうかかわってきたのか、聖と俗の両面から「歴史のなかの宗教」を考える。