《日本史リブレット》048.近世の三大改革

価格
880円 (税込)
在庫: 在庫あり
解説: 善政といわれた享保,寛政,天保の改革は,どのような矛盾や危機に対応したのだろうか。賄賂や汚職が横行した悪政の仕組みや,対外的危機との関連から,改革の意味を問い直す。
ISBN:
978-4-634-54480-2
シリーズ: 日本史リブレット 48
著者: 藤田覚 
刊行:
2002年3月
仕様: A5変型判
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目次:
はじめに
1.善政悪政交替史観と三代改革
  田沼意次の人物像/三大改革論の歴史/三大改革論の研究史/
  近世史の時期区分と享保の改革
2.享保の改革
  享保の改革の研究史/幕府財政と幕府領石高・年貢量/
  享保の改革の年貢政策/新たな物価問題の発生/
  法と裁判制度の整備
3.寛政の改革
  寛政の改革の歴史的位置/明治維新の政治史的起点/
  寛政の改革の特徴/小農経営の再建策/
  商業資本と幕府の主体性/封建的社会政策の導入/
  朱子学の正学化と歴史書の編纂/
  対外的危機の発生と鎖国祖法観の成立/海防策の展開/
  天皇・朝廷と大政委任論/尊号事件/中期藩政改革/
  幕政と藩政の関連/政治技術の「情報交換・流通」/
  寛政の改革の評価
4.天保の改革
  幕府財政の破綻と物価の高騰/一揆・打ちこわしの激化/
  藩の「自立化」と幕藩間の亀裂/対外的危機の深刻化/物価対策/
  出版・情報・文化統制/人返しの法/御料所改革/
  将軍権威の最強化策-日光社参/対外的危機への対応/
  印旛沼堀割工事と上知令
5.悪政の政治構造
  悪政の時代/出頭人の時代/側用人の時代/側用人柳沢吉保/
  御用取次/御用人大岡忠光/老中田沼意次/
  大御所時代の老中水野忠成/田沼や水野は例外か
おわりに  
メッセージ・あとがき:
江戸幕府の崩壊はいつ頃から始まったのか。
幕藩体制自体がはらむ矛盾,度重なる天変地異,激変する経済情勢,海を越えてやってきた脅威,力をつけた庶民。
これらに対して,幕藩体制を守るために行なわれた改革のうちの代表的なものが三大改革といわれる。
しかし,三大改革という理解は正しいのだろうか。
「内憂」と「外患」の視点から,三大改革を見なおすことによって,江戸幕府の崩れゆく様子を眺めてみたい。