戦国城郭に秘められた呪いと祈り

価格
1,980円 (税込)
在庫: 在庫あり
解説: これまでは「軍事施設」中心で語られてきた城郭研究において近年、研究の進展により、そもそも「城とは何か」という点が注目を集めています。
そこでキーワードとなるのが「祈りの場」「権威の源」としての城の姿です。
本書は、充実の一途をたどる城郭研究の新たな潮流に注目し、城郭史を「陰陽道」「鎮守」「呪い」「祈り(宗教施設)」という観点から捉えなおし、築城に当たっての場所選びから普請・作事にいたるまで、中世の呪術的な意識と儀礼がどのように作用していたのかを読み解いてゆきます。
ISBN:
978-4-634-15199-4
著者: 小和田哲男 
刊行:
2022年7月
仕様: 四六  ・  208ページ
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目次:
序 章 戦国時代における呪いと祈り
 戦国時代における呪術と武将の関係とは
 戦国時代まで城はどのように発達したか
 軍事面だけではなかった戦国の城

第一章 聖地としての城――地選・地取における呪術の役割
 信仰の山に城を築く
 織田信長の築いた城も信仰の山だった
 聖地から城へ変化するチャシとグスク
 「四神相応」は意識されていたか

第二章 神様の名が残る城――縄張からみた信仰の足跡
 鬼門除けを意識した縄張
 城内に鎮守を勧請して曲輪の名称に

第三章 転用石・鏡石・猪目石の役割を見直す
 転用石は石不足を補うだけではなかった
 鏡石のねらいは何だったのか
  猪目石も魔除け効果があったのか
  呪術的な石垣の刻印もあった

第四章 天守・櫓に込められた祈りと呪い
 天守は祭祀空間だった
 祈禱櫓と祈念櫓
  鯱と三つ巴軒丸瓦および桃瓦 

第五章 「人柱」はあったのか――地鎮の作法
 軍配者が主導した地鎮祭
 「人柱伝説」のある城
 「人柱」の痕跡はみられるのか
  出土する人形は「人柱」の代わりか

第六章 城における鎮守と結界のかたち
 城館跡から出土する呪符と護符
 城に稲荷神が祀られることが多いのはなぜか
 城に八幡神社を祀ることも多い
 城下の艮の方角に鬼門除けの神社や寺を置く

終 章 近世の城と城下町への継承
 近世に入っても城地選定を占いで決めていた!?
 城内および城下に東照宮が祀られる

あとがき
参考文献
城名・城館名索引