歴史とはなにか 新しい「世界史」を求めて

価格
1,760円 (税込)
在庫: 在庫あり
解説: アジア史の東西(鈴木・オスマン帝国史、岡本・中国史)を専門とし、ともに世界史の通史(『文字と組織の世界史』鈴木、『世界史序説』岡本)に挑んだ二人のアジア史家が、「文明」と「世界史」のありかたや宗教、支配、生態的環境、国家・国民とは何か、様々な歴史トピックスについて20時間を超える白熱討論を展開! 
歴史を考えるヒントが盛りだくさんの1冊。
ISBN:
978-4-634-15185-7
著者: 鈴木董  岡本隆司 
刊行:
2021年8月
仕様: 四六  ・  336ページ
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目次:
まえがき  岡本隆司

プロローグ 歴史とはなにか ―― その「自明性」を問う
ユーラシア東西の帝国と日本/歴史区分について/世界史の画期/日本史の特殊性/日本人が理解しづらいナショナリズム

第1章 「文明」と「世界史」を考える
「文明」の普遍性、「文化の特殊性/前「近代」世界をどう捉えるか―比較史への道/
文明と文字の相関/文字世界にみられる文化的共通性/文字世界図と梅棹地図/
イスラム世界を考える/伝統的諸文化世界の並立と「西洋の衝撃」/
グローバル・ヒストリーに宿る西洋中心史観/自己世界史から普遍史へ

第2章 「世界」の捉え方 ―― 東西、華夷
自世界中心史観と序列/「劇場」と一座(王朝)―中国史の特徴/自世界と他世界の境界/
「文明化」の諸相―ローマ化、華化、イスラム化/漢字世界は「異様」か/
東南アジアを文化世界からみる/「アジア」と「東洋」/
西欧諸国との交渉 清朝とオスマン帝国/保護国と併合

第3章 統合とアイデンティティ
人間集団と空間の関係/共存の諸相―一神教世界と中国/中国の統合と科挙/
中国はなぜ再統一できたか/アイデンティティと統合の基礎 ローマと中国/
西方とは異なる統合の軸

第4章 「宗教」を考える
西欧起源の「宗教」概念を再考する/生態環境を超えて広がった仏教/
一神教世界と「聖俗」「政教」/宗教と戒律、法の関係/儒教の「礼と法」/
中国・日本の「宗教」/なぜ儒教は日本に根づかなかったか/
なぜイスラムに「原理主義」が生まれるのか/世界史的に珍しいカトリックの不寛容性/
聖典を記した文字の重要性/ルール・オブ・ローと中国の「法治」/
人間が「主権者」になれないイスラム/「科学」と連鎖的イノベーションの登場/
西欧的科学のデメリット/近代西欧「ソフト」受容の諸相/経済史研究の陥穽

第5章 「支配」のあり方
時代区分を再考する/イスラム世界の支配と支配者/カリフとスルタン/
オスマン帝国とカリフ/中華世界の「皇帝」/ローマ「皇帝」は正しい訳語か/
イスラム世界と国際法/イスラム世界と中国の「支配の正統性」/
支配とエリート――オスマン朝と中国/「国軍」が成立しなかった中国/
中国の支配と科挙/皇帝――「独裁」か、「専制」か 
第6章  環境・文化・社会のあり方 ――地理的・生態的環境と社会関係
生態的環境を超える文化、超えない文化/西洋史・日本史に欠如しているもの/
シナ海は「結ぶ海」か、「隔てる海」か/日本と西欧が縁遠かったユーラシア世界/
地理的空間と帝国の存続/儒教の土俗性と中国の社会関係/
歴史とはなにか ―― その「自明性」を問うプロローグ
「モノづくり型」と「モノ流し型」の経済/西欧の「奇跡」/生業の形態――中国と日本/
東西「系図」考/「家」が続かないオスマン、中国 「家」が続いた日本/
科挙官僚制に関するウェーバーの誤解/科挙は「宗族の宗族による宗族のための事業」

第7章 国家・国民・民族を考える
ネイション・ステイトの登場/ネイションの「二つの顔」/
アジア史にネイションは存在したか/「民族」への意識が遅れたオスマン帝国/
西欧における「国民」と「民族」/インドと東アジアのネイション/
「中華民族」は存在しうるか

エピローグ 中国、そして日本
日本と中国のイノベーション/日本は中国の文化的「属国」だったか/
西洋文明の受容に果たした漢字の役割/世界史に位置づけにくい日本/
世界史を捉える新たな枠組みを

あとがき  鈴木董