東欧地域研究の現在

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3,960円 (税込)
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解説: かつてハプスブルク帝国とオスマン帝国の支配下にあった「東欧」という歴史的地域の,冷戦終結後の「今」を,歴史学・政治学・社会学・文学などさまざまな視点から考える。
ISBN:
978-4-634-67226-0
著者: 柴宜弘  木村真  奥彩子  山崎信一  小林久子  井上暁子  村田奈々子  香坂直樹  辻河典子  長島大輔  百瀬亮司  野町素己  一政史織  中島崇文  川村容子  倉金佳  石田信一  森下嘉之  鈴木健太 
刊行:
2012年9月
仕様: A5判  ・  380ページ
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目次:
 序章 東欧地域研究の現在
第Ⅰ部 領域をえがく
 第1章 文学史のなかの「魔女」たち
    東欧女性作家の系譜とドゥブラヴカ・ウグレシッチ
  1 失われた文学の見直し
  2 魔女と呼ばれた作家
 第2章 イデオロギーからノスタルジーへ
    ユーゴスラヴィアにおけるロック音楽と社会
  1 ロック音楽の伝来と展開
  2 ユーゴスラヴィア・ロックの黄金時代
  3 紛争のなかのロック音楽
  4 ユーゴノスタルジーとロック音楽
 第3章 境界の内側で、フィクションと政治のあいだで
    イスマイル・カダレの小説創作とアルバニア社会主義体制
  1 体制と作家カダレのポジション
  2 状況を超える文学の創作
  3 体制との妥協と、状況の受容
 第4章 想起される地域
    現代ポーランド語文学における国境地帯の表象
  1 東部国境地帯というトポス
  2 西部国境地帯というトポス

第Ⅱ部 領域をつくる
 第5章 国民国家とマイノリティ
    戦間期 サロニカのユダヤ人
  1 ギリシアにおけるユダヤ人の法的地位
  2 ユダヤ人コミュニティ内部の分裂
  3 戦間期のギリシア政治と反ユダヤ主義
  4 言語的同化と共生の継続
 第6章 辺境のブラチスラヴァは首都になりうるか
    戦間期 スロヴァキアの中心都市をめぐる議論
  1 ブラチスラヴァとマルティン
  2 ルッペルトの中心都市論
  3 ルッペルトのスロヴァキア認識とブラチスラヴァ認識
 第7章 ハンガリー・ナショナリズムの領域と理念
    「一九一八年十月」と亡命革命指導者
  1 政治背景
  2 亡命政治活動と「一九一八年十月」
  3 「一九一八年十月」の意義の宣伝
 第8章 人口調査の政治性
    ボスニア・ヘルツェゴヴィナのムスリム人をめぐって
  1 民族的帰属を問うこと
  2 民族性の否定
  3 小文字のmから大文字のMへ
  4 民族性の承認
 第9章 境界線を引く歴史学
    歴史問題としての「コソヴォ問題」
  1 「コソヴォ問題」前史
  2 「コソヴォ問題」の社会的浸透

第Ⅲ部 領域をこえる
 第10章 東欧に架かる言葉の虹
    境界の詩人オンドラ・ウィソホルスキとその言葉
  1 オンドラ・ウィソホルスキの生涯
  2 ラフ語とは何か