《日本史リブレット》061.民衆宗教と国家神道

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880円 (税込)
在庫: 在庫あり
解説: 民衆の救済を願う教祖らによって成立した「民衆宗教」と,近代天皇制国家が全ての国民に強制した「国家神道」。その相克の歴史を捉え直し,今日の宗教観のあり方を問う。
ISBN:
978-4-634-54610-3
シリーズ: 日本史リブレット 61
著者: 小澤浩 
刊行:
2004年6月
仕様: A5変型判  ・  116ページ
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目次:
生き神か現人神か
1.生き神教祖の誕生-民衆宗教の成立-
  生き神の胎動/幕藩制社会と宗教/生き神教祖の群像/
  切り開かれた地平
2.現人神の浮上-国家神道の形成-
  国家神道とはなにか/水戸学と復古神道/国家神道の確立/
  神社統合の波紋
3.教派神道への階梯-別派独立の意味-
  講・出社・直信/「別派独立」の代価/
  抱え込んだ矛盾-二重構造の定着
4.不服従の遺産
  終末的ラディカリズムの行方-大本教事件/
  教祖に復れ-デモクラシーと「新体制」/神々の現代  
メッセージ・あとがき:
日本の近代は,その初めに「生き神」と「現人神」という二つの神観念を創出した。
「生き神」は,幕末から明治にかけて登場してくる民衆宗教の民衆解放思想を支える根本原理となり,「現人神」は、近代天皇制国家のイデオロギー的な支柱である国家神道の事実上の絶対神として,国民の精神的自由を抑圧する源泉となった。
両者の相克の歴史を,「人を神にまつる」という伝統的な思惟の様式につなげてみるとき,近代日本の精神史は,あらたな相貌をあらわし,あらたな課題を私たちに投げかけてくれるに違いない。