《日本史リブレット》058.スポーツと政治

価格
880円 (税込)
在庫: 在庫あり
解説: スポーツがもつ政治的な働きを,歴史の文脈の中で詳細に分析し,近代天皇制や国民統合,ファシズムなど近現代史の重要な論点へと導く。
ISBN:
978-4-634-54580-9
シリーズ: 日本史リブレット 58
著者: 坂上康博 
刊行:
2001年11月
仕様: A5変型判  ・  104ページ
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目次:
スポーツと政治のデリケートな関係
1.天皇杯の誕生-新しい皇室像とスポーツ
  元旦の天皇杯/皇太子のスポーツ熱/
  若き皇室たちのパフォーマンス/新しい皇室像とスポーツ/
  再構築される皇室の権威
2.「スポーツ狂時代」の国家戦略
  「スポーツ狂時代」の到来/三つの戦略/スポーツによる思想善導/
  国家への包摂と反発/政策の効果と限界
3.ナチ・オリンピック-第二次大戦への跳躍台?
  VJデー五〇周年/日独伊の不気味な躍進/熱狂の渦/
  国家との一体化/民衆意識とのギャップ/国際政治の力学の中で
4.戦時下のメディアとスポーツ
  F少年の体験/民族の祭典/野球中継/相撲中継/百人斬り競争
5.「冷戦」の時代とその終焉
  はためく統一期旗/モスクワ五輪ボイコット/
  スポーツと政治の新たな関係に向けて  
メッセージ・あとがき:
ナチ・オリンピックと呼ばれたベルリン五輪。
ボイコットを余儀なくされたモスクワ五輪。
天皇杯の下賜。
スポーツによる思想善導政策。
戦時下における外来スポーツへの弾圧。
スポーツと政治の密接な関係を示すこうした事例をひとつひとつ掘り下げながら,それらを歴史的な文脈のなかでとらえてみたい。
それは,単なるスポーツと政治の関係の把握にとどまらず,スポーツを介しながら,私たちを近代天皇制や国民統合,ファシズム,戦争といった日本の近現代史のいくつかの重要なテーマへと導いていくはずである。