《新体系日本史》4.政治社会思想史

価格
4,620円 (税込)
在庫: 在庫あり
解説: 日本での政治的社会の成立から1945年の日本の敗戦までの総過程における日本人の自覚的意識のあり方とその変化を解明した通史。研究の現段階に即応して六つの時代に区分し,各時代の思想的動向を正確に把握できるよう,政治思想と社会思想に分けて叙述。
ISBN:
978-4-634-53040-9
シリーズ: 新体系日本史 4
著者: 宮地正人  河内祥輔  藤井讓治  栄沢幸二  大平聡  西山良平  上杉和彦  新田一郎  榎原雅治  若尾政希  頼祺一  菊池勇夫  佐藤能丸  赤澤史朗 
刊行:
2010年10月
仕様: A5判  ・  452ページ
このエントリーをはてなブックマークに追加
詳細をみる
目次:

Ⅰ 古代の政治社会思想
1章 古代の政治思想
 1 「治天下」の認識
   政治的世界の形成/二世紀における中国との通交/
   邪馬台国以後の倭人社会/七支刀銘文と高句麗広開土王碑文/
   『宋書』倭国伝の「倭の五王」/倭国内部の秩序形成/
   東・西・北方の領域認識/被冊封国の「天下」認識
 2 国家形成と世界認識
   倭王武の限界性と六世紀の王権/政治的秩序の形成と国造/
   推古朝の対等外交の主張と天孫意識/倭王の「大国」認識/
   東アジア情勢の緊迫化と倭国の中央集権化
 3 律令国家の成立
   天武政権の誕生と天皇号の成立/
   天智天皇の和風諡号と天命思想/天命思想と「天孫降臨」神話/
   国土支配の完成と中華思想/律令国家の儒教思想/
   神祇体系の再編と国家仏教/君主観の展開
 4 平安時代の国家と政治思想
   新皇統、桓武天皇の誕生/宮の構造と変化/
   新羅認識の変化と中華思想の歴史認識化/
   王土王民思想の形成と世界観の変化/矮小化する国家認識/
   承平・天慶の乱と対外関係
2章 古代の社会思想
 1 古代百姓の社会的性格
   百姓と律令制国家/百姓と国司苛政上訴
 2 律令制国家と百姓
   百姓と百姓身分/百姓款・百姓愁状の展開
 3 百姓の太政官越訴
   越訴の展開/百姓の国司越訴
 4 郡司・百姓の国衙襲撃
   対馬・石見の国衙襲撃/愁訴と国衙襲撃
 5 公門上訴と「門下」上訴
   公門上訴の始原/国司苛政上訴の転成/門下上訴と門下濫吹
 6 古代百姓論の展望
   古代百姓の転変/公門上訴の意義

Ⅱ 中世の政治社会思想
1章 中世前期の政治思想
 1 本章の課題
 2 朝廷の秩序と理念
   神国思想と朝廷/[コラム]平将門と「新皇」/平安時代の朝廷/
   摂関の主導による朝廷再建運動/朝廷再建の精神
 3 朝廷の動揺と再建運動
   保元の乱/平治の乱/治承三年政変/一一八〇年代内乱
 4 朝廷・幕府体制の成立と展開
   朝廷・幕府体制の成立/承久の乱と朝廷再建運動/
   朝廷再建運動の展開と終焉
 5 本章のまとめ
2章 中世前期の社会思想
 1 中世前期の民衆としての「百姓」
   課題の設定/中世前期の百姓層 
 2 荘園支配体制をめぐる百姓層の意識
   百姓層の解文・申状/解文・申状からみた百姓層の闘争課題/
   百姓層の利害と本所の利害/百姓層の寺社への従属/
   「安堵」を求める百姓層/権力者の統治原則との関連/
   百姓層と起請文/中世前期の状況に関する総括
 3 百姓層の規範意識・権利意識
   百姓層の行動規範/百姓層の「正当性」認識と権利意識/
   百姓層と文書主義/百姓層と成文法/「古老」の機能への依存
 4 百姓層の他者認識と暴力
   下層民に対する認識/武士への認識/百姓層と戦乱/
   百姓層の暴力
 5 中世後期への展望
3章 中世後期の政治思想
 1 「武家」の政治的役割
   「武家」の役割/『御成敗式目』と北条泰時/「徳政」の帰結
 2 中世後期の「政治」の舞台
   公武関係の再定義/世界像と歴史認識/公事と作法
 3 中世的「政治」の爛熟
   求心的構造における「政治」の所在/人為と神意/「権力」の可能性
 4 「政治思想」の可能性
   王法と仏法/知識の構造/「神国」をめぐって
 5 中世的「政治」の終焉
   求心的構造の動揺と「公事」の瓦解/[コラム]戦国大名領国/
   「古典」の再生と継承
4章 中世後期の社会思想
 1 「おさめる」行為
   「おさめる」こと/公事の性格/年貢の性格/年貢と公事の関係/
   公事の年貢化
 2 「おさめる」行為の変容
   守護に対する公事/戦場に向かう公事/
   年貢と公事の分離と再構築
 3 空間についての認識
   京都よりも田舎/荘園空間と村空間/あらたな地域結合の創出
 4 時間についての認識
   裁判文書における村の始まり/イエの観念からみた時間認識/
   在地の年代記にみる時間認識/平安王朝への憧憬

Ⅲ 近世の政治社会思想
1章 近世前期の政治思想
 1 研究史の概観
 2 大名と将軍
   奉公と御恩/領知と家役/[コラム]誰からあずかった天下か/
   平時の奉公
 3 大名と家臣
   戦時と平時/「主之為」/「侍役・侍之作法」/「被官之身」
 4 大名と「仕置」
   「国之仕置」/「仕置仕損」「奇特成仕置」/「所之作法」「国法」
 5 外聞・恥・世間の取沙汰
   外聞・恥・取沙汰/三者の関係
 6 起請文と法度
   起請文/法度
 7 その後の展開
2章 近世前期の社会思想
 1 近世の社会思想成立の一前提-その歴史的環境
   時代の扉を開けると……/「家」の形成/家の興亡/
   「仏事勤行今ニ怠ル事ナシ」/「外には王法を以おもてとす」/
   庄屋年寄は「村中ノ仕置ヲスル役人」/「手カク事」・書籍・連誹
 2 心の時代-「ままにならぬ心」
   読書の時代-「『可笑記』をよみ候て心おち付申候」/
   「仮名草子」の読書と作者/『浮世物語』の世界/
   瓢太郎の思想形成/「ままにならぬ心」のゆくえ
 3 近世的常識の形成と書物
   書物の知の共有と古典の成立/社会の常識・社会通念の形成/
   「御救」としての医療-医薬書の歴史的位置/
   責務としての日和見-天文暦書の歴史的位置
 4 書物がつなぐ国家・社会
   書物を頒布する将軍/上書の時代
 5 近世人の思想形成とコスモロジー
   「天地の子」意識の形成/
   既成のコスモロジーとの葛藤-安藤昌益の自然真営道
 6 近世人の歴史認識の形成と書物
   歴史の流れをいかにとらえるのか/歴史叙述と軍書/
   百姓一揆物語の成立と歴史的位置/
   [コラム]歴史をかたるということ-歴史叙述と偽文書の生成/
   思想史における近世
3章 近世後期の政治思想
 1 後期朱子学派の登場
   田沼期の学問の状況/朱子学者西山拙斎の「休否録」
 2 朱子学と「異学の禁」-頼春水の場合
   頼春水と広島藩「天明異学の禁」/幕府の「寛政異学の禁」/
   頼春水の理想とする社会像
 3 朱子学者の政治的実践-頼杏坪の場合
   杏坪の政治思想/杏坪の藩専売制廃止論/杏坪の土地租税政策
 4 朱子学者の政治論の特質
   頼春水の政治論/政治論の構築
4章 近世後期の社会思想
 1 経済社会化と社会的危機意識
   田畑の荒廃現象/貨幣経済の恐さ/凶作・飢饉の原因論/
   米騒動・打ちこわしの行動原理/商人悪徳観への反駁と商人道
 2 セーフティネット(危機管理)の思想
   建部清庵『民間備荒録』/社倉・義倉論の展開/
   儒学思想の読みなおし/町人の救貧・救飢活動
 3 地域起こし・建てなおしの思想
   農家の益/尊徳仕法/先祖株組合/地域社会を支える学問・思想
 4 民衆の生活意識と行動
   都市に向かう人びと/北へ向かう人びと/
   民俗(フォークロア)の活用・動員/世直しの意識と逸脱/
   [コラム]菅江真澄と古川古松軒-地方・地域への眼差し

Ⅳ 近代の政治社会思想
1章 近代の政治思想
 1 ナショナリズムの特質
   ナショナリズムの定義/近代日本のナショナリズム論の諸形態
 2 明治維新期のナショナリズム
   幕末のナショナリズム/
   対外膨張の国家主義的ナショナリズム論/華夷思想
 3 啓蒙・自由民権論者のナショナリズム
   非侵略的な立憲主義的ナショナリズム論/
   自由民権右派のナショナリズム論
 4 大正デモクラットのナショナリズム
   立憲主義的な帝国主義的ナショナリズム/
   第一次大戦後の大正デモクラット
 5 権力の国家主義的な帝国主義的ナショナリズム
   権力のナショナリズム論の特色/徳富蘇峰
 6 社会主義的ナショナリズム
   幸徳秋水の言説/山川均のナショナリズム論
 7 ウルトラ・ナショナリズム
   急進的なウルトラ・ナショナリスト/
   権力のウルトラ・ナショナリズム論/企画院官僚の言説
 8 教員と仏教家の言説
   初等・中等学校の教員/仏教家/[コラム]生かされる論理と倫理
2章 明治期の社会思想
 1 文明開化期の社会思想
   社会開化の思想/「毒婦」の群れ/「革命」から「改良」へ
 2 新世代の社会思想
   ジャーナリズムの新展開/「平民主義」の思想/
   「国民主義」(「国粋主義」)の思想
 3 産業革命と「社会主義」思想
   産業革命の進展/労働者(高島炭坑夫)救済の思想/
   人権・生活権・環境権の闘い(足尾鉱毒闘争)の思想/
   『職工事情』の世界/明治社会主義/非戦・反戦の思想
 4 価値観の転換
   「士風」の衰退と「痩我慢の説」/「拝金主義」と「共和演説事件」
 5 「一等国」の社会思想
   「国民的使命観」と「開国五〇年」の思想/「明治大帝」の死去と国民
3章 大正・昭和前期の社会思想
 1 主体形成の論理
   教養主義と修養主義/社会運動の思想とマルクス主義の衝撃/
   異民族との接触と帝国意識
 2 都市文化と伝統文化
   都市大衆文化の展開/民衆文化の発掘と再生
 3 反近代と近代の相克
   新宗教の発展/技術者の思想

付録  索引  参考文献