《新体系日本史》15.宗教社会史

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4,950円 (税込)
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解説: 日本宗教の特性を歴史的に社会との関わりの中で解明する。通史編は黎明期から各時代及び,琉球・アイヌ社会の宗教を,テーマ編は現代との関連から主題を設定し,通史的に概観する。
ISBN:
978-4-634-53150-5
シリーズ: 新体系日本史 15
著者: 高田陽介  西田かほる  細川涼一  神田千里  澤博勝  赤嶺政信  高埜利彦  曾根正人  平雅行  安田次郎  勝浦令子  保坂裕興  佐々木利和  中島圭一  谷本晃久  榎原雅治  杣田善雄  三浦俊明 
刊行:
2012年3月
仕様: A5判  ・  512ページ
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目次:
はじめに
Ⅰ 時代概観
1章 日本宗教の形成と社会
 1 古代日本宗教史の問題点
   黎明期日本宗教史料の限界/古代日本宗教の独自性
 2 日本宗教の黎明
   仏教以前/仏教の伝来と受容/「カミ」と「ホトケ」
 3 古代国家祭祀の創出
   神祇祭祀の構築/国家仏教の構築
 4 信仰の展開
   僧尼と民衆/神と仏
 5 古代仏教と古代宗教の成立
   国家祭祀の完成/日本宗教の祖型
2章 中世宗教の成立と社会
 1 古代宗教の中世化
   宗教政策の転換/浄土教の展開
 2 顕密仏教と中世国家
   顕密仏教の隆盛/顕密仏教と民衆/国祈禱体制と本末関係
 3 鎌倉仏教の展開
   仏教改革運動/鎌倉幕府の宗教政策/異端思想
 4 中世宗教と社会
   宗教の時代/出家入道の登場/神仏同体論/
   ケガレ文化と肉食忌避
3章 中世宗教の展開と社会
 1 室町時代の顕密寺社
   王法と仏法/国家的法会・祈禱/義満の祈禱/
   王家・貴族・国人子弟の入寺
 2 禅律の活動
   禅と顕密勢力/五山と室町幕府/西大寺流の消長/
   禅律僧と社会
 3 戦国期の権力と宗教
   戦国武将の信仰/戦国期権力と寺社/一向宗
 4 地域の社会と寺社
   在地寺社/「禅衆」の台頭/村堂・村鎮守、地下堂/講
 5 民衆の熱狂
   開帳・逆修/抜参り・巡礼・納骨/盆と風流/一揆
4章 近世社会と宗教
 1 織豊政権期の宗教
   織田信長と宗教/豊臣政権とキリスト教/
   豊臣政権の寺社統制政策
 2 江戸幕府と宗教制度
   「王法為本」 - キリスト教・日蓮宗不受不施派弾圧/
   王権(幕府・朝廷)による祈禱/仏教・修験道の制度/
   神道・陰陽道の制度
 3 幕藩社会と宗教
   地域社会と寺院・寺社・堂/多様な宗教者/
   あらたな信仰 - 死生観の変容
 コラム 蝦夷三官寺と幕府の宗教政策
5章 琉球の宗教
 1 琉球の宗教と女性
   琉球王国/御嶽/女性神官制度/王権を支える神女たち
 2 王府の宗教政策
   向象賢の登場/祭祀規制/「時よた」の禁圧/「生霊」をめぐって/
   祖先祭祀の成立
 3 外来の宗教
   仏教/日本神道
 4 おわりに
6章 アイヌの宗教
 1 イオマンテ、そしてクマ
   ある投書/霊的存在としてのクマ 
 2 アイヌの宗教儀礼
   理解されざる宗教儀礼/カムイとは
 3 アイヌの世界観
   人間の死後は/儀礼の伝承とは

Ⅱ 宗教と社会
1章 古代・中世の寺院修造と社会 - 興福寺を中心に
 1 興福寺の創建
   古代の寺院造営/興福寺の創建時期/伽藍の整備
 2 永承の再建
   官寺としての興福寺/藤原氏知識/大和国との関係
 3 土打役の登場
   信円と兼実/律僧の勧進/一国平均役
 4 料国としての大和
   律家奉行制/反銭・反米と大田文/寺門反米・反銭と私反銭
2章 近世の寺社造営 - 公儀普請と勧化
 1 近世寺社造営の諸形態
 2 公儀普請 - 北野天満宮
   普請奉行/入札/落札/監査
 3 勧化の展開 - 東大寺大仏殿
   相対勧化/勧化の受容/御免勧化/公儀支配へ
 4 寺社造営と権力・社会
   幕府権威/財政問題/勧化の変容
3章 中世の寺社金融
 1 仏神物の特質
   神仏と金融/貨幣がおびる仏威・神威
 2 祠堂銭とその利用実態
   祠堂銭の寄進 - 運用構造/寺外への祠堂銭貸付け/
   三条西実隆の祠堂銭利用
 3 祠堂銭に対する社会的認識
   祠堂銭の詐称行為/室町幕府の祠堂銭政策/仏威・神威のゆくえ
4章 寺社・御三家名目金と近世社会
 1 寺社名目金の特徴
   中世の祠堂銭金融/近世寺社名目金の先訴特権
 2 門跡寺院の名目金
   門跡寺院と名目金金融対策/上野准后(寛永寺)の名目金/
   青蓮院名目金(粟田御殿御祠堂金)/青蓮院名目金の領主貸/
   一乗院・大乗院の名目金
 3 御三家名目金
   御三家名目金/紀州家名目遊行寺祠堂金
 4 名目金の貸付規制と返弁反対運動
   大和国内の名目金貸付規制/大和国郡山藩江州領の貸借制限/
   藤沢宿北部農村の反弁反対運動
5章 古代・中世の社会事業と仏教
 1 古代社会事業の成立
   社会事業の視点/社会事業と仏教思想/天武期の社会事業/
   飛鳥寺禅院の活動/持統期の救済活動
 2 古代社会事業の発展
   八世紀の悲田・施薬活動/行基集団の活動/行基没後の変化
 3 古代の社会事業の構造と変質
   九世紀の貧民救済と文殊会/九世紀救済施設土木事業の展開/
   社会事業維持の問題点/平安期の悲田・施薬活動
 4 中世社会事業への転換
    浄土教と救済活動/施浴と死者追善/
    叡尊らによる畿内の救済活動/
    関東・鎌倉における忍性の活動/古代・中世の社会事業の特質
6章 女性と宗教 - 西大寺叡尊と女性の事例を中心に
 1 叡尊と女性
   女性と仏教/叡尊と女性
 2 母と養母(醍醐寺の巫女)
   僧と母/叡尊と養母の醍醐寺の巫女/
   霊夢にあらわれた養母の姿
 3 尼と尼寺(法華寺)
   叡尊と法華寺の再興/法華寺の尼/
   法華寺中興第一世長老慈善/法華寺中興第二世長老如円
 4 檀越の女性 - 公家社会・寺社権門の女性
   石清水八幡宮の柳禅尼/叡尊と摂関家の女性/舎利と女性
 5 檀越の女性 - 武家社会の女性
   亀谷禅尼(中原師員の妻)/北条政村一族の女性/
   一条局と美濃局(宗尊親王の女房)
7章 中世の葬送と墓制
 1 貴族社会の葬送
   全体像への試み/倭王・天皇の葬送と墓所/貴族の家と墓所
 2 葬送の社会的規制
   葬地への放置/葬送関与の禁忌/山門の二十五三昧会/
   二十五三昧会の衝撃
 3 中世的葬送の展開
   仏僧による葬送/僧・三昧聖の活躍/葬祭寺院の成立/
   宗派的葬送儀礼の整備/発掘調査による再構成
 4 二十一世紀の福音
   由比ヶ浜南遺跡/敏満寺石仏谷墓地と栗栖山南墓地/
   惣墓研究の新展開/文献史学の逆襲
8章 近世の葬祭と寺院 - 社会集団論の視点から
 1 福井城下周辺の三昧をめぐる諸集団
       - 町組・村・寺院・道場
   葬祭研究の今日的課題/福井城下の概観/共同三昧の移築/
   無常駕籠貸し賃争論/寺檀関係の波及/
   争論からみえてくるもの/近代の畿久三昧
 2 近世民衆と檀那寺と葬祭儀礼 - 村落部の検討
   教団作法の成立/宗派作法にとらわれない葬儀/
   坂井郡浜坂浦照順寺門徒の場合/
   檀家葬儀をめぐる上寺願成寺との争論/
   争論から導かれる注目点/大虫神社神職と仏教葬儀/
   寺院による火葬と穢意識/神職と檀那寺の親密性/
   寺院による「死の認定」と追善供養/結語
9章 中世の宗教的アジール
 1 宗教的アジールとは
   世界的にみられるアジール/アジールの研究
 2 中世寺院のアジール
   駈込みと保護/格式と裁判権/アジール衰退の通説/
   近世に生きるアジール/「師檀の儀」
 3 僧侶の救解活動
   場のアジール・人のアジール/助命は「黒衣の所作」/
   敗者の駈込み/制裁としての出家/管理される死霊
 4 アジールと「世俗化」
   解放と悲惨/世俗化の波
10章 普化宗廃止と近世アジールの一特質
 1 問題の所在
   アジールとしての性質と社会的権力/
   普化宗廃止令が示唆すること
 2 幕府寺社奉行による普化宗流幣改革
   本格的吟味の始まり/基準となった申渡書/
   第二の吟味 - 普化宗側の意思/寺社奉行の裁定/
   流幣改革の意義
 3 幕末・維新期における普化宗 - 廃止への過程
   幕末期の普化宗寺院と寺場の人びと/維新政府の宗教政策/
   地方官の普化宗に対する措置/廃止の要因
 4 まとめにかえて - 近世アジールの一特質
   普化宗アジールの性質/近代初頭から普化宗アジールをみる
11章 都市という場の宗教性
 1 連雀商人と修験
   市場祭祀と修験/「連釈之大事」/香具師の自己認識/
   薬売りの起源
 2 都市空間の計画性
   町立ての理想像/
   湯山の町 - 文献にあらわれた理想都市の空間/
   旦過を求めて(その1)/旦過を求めて(その2)
 3 平等の場としての都市空間
   Hospital - 旦過とはなにか/温泉薬師 - 誰が広めたか/
   都市という場の宗教性/「たんかをきる」
12章 地域社会と宗教者
 1 笠之者をめぐる諸関係
   廻村の宗教者/笠之者/蛭子社人と笠之者/
   谷川七左衛門と笠之者/村方と笠之者
 2 筰をめぐる諸関係
   谷川之者と筰/筰と春田打/筰の由緒と芸能/笠之者の存在形態

付録  索引  参考文献