《宗教の世界史》12.イスラームの歴史2 イスラームの拡大と変容

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3,850円 (税込)
在庫: 在庫あり
解説: 『イスラームの歴史1』に続き,18世紀以降のイスラームの歴史を,世界への拡大とそれにともなう変容の視点から明らかにする。アフリカ・中央アジア・南アジア・東南アジアでのイスラームの展開とその役割を紹介するとともに,イスラームが欧米を中心とする国際社会に与えた衝撃の意義を考える。
ISBN:
978-4-634-43142-3
シリーズ: 宗教の世界史 12
著者: 小杉泰  東長靖  坂井信三  小松久男  山根聡  小林寧子 
刊行:
2010年10月
仕様: 四六判  ・  362ページ
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目次:
第1章 近代と邂逅するイスラーム
  1 近代前夜の新たなる胎動
    内なる改革の芽生え
    イスラーム国家の再興-ワッハーブ運動
    学知の革新-シャウカーニー
  2 西洋との邂逅
    西洋の衝撃は軍事から
    フランス革命と「近代」への目覚め
    オスマン帝国の諸改革
    揺れる帰属意識-ナショナリズムの始まり
  3 抵抗とパン・イスラーム主義
    レジスタンスの旗-スーフィー教団の奮戦
    アフガーニーとパン・イスラーム主義
  4 イスラーム的近代へ
    イスラームは時代遅れか
    「理性と啓示」「宗教と科学」の調和
    嵐の海の灯台-マナール派の人々
  コラム
    イスラーム改革のトリオと国際雑誌
第2章 イスラームの再構築
  1 イスラーム復興の広がり
    大衆時代の到来-ムスリム同胞団
    ナショナリズムと相克
    アジア・アフリカ諸国の独立とイマーム制の終焉
    第二次イスラーム復興
  2 草の根のイスラーム復興
    再イスラーム化と伝統の再活性化
    モスク建設と貧者のための喜捨
    イスラーム復興はなぜ起こったのか
  3 イスラーム法学ルネサンス
    「イジュティハードの門は開いた」
    原典への回帰と遺産の見直し
    新しい指導者たちと法学者の再登場
  コラム
    コンセンサスを求めて-集う指導者たち
第3章 スーフィー教団の革新と再生
  1 スーフィズム・タリーカの変革
    イスラームの内発的改革
    伝統的思想の系譜
  2 ヨーロッパ植民地主義の衝撃とタリーカ
    ヨーロッパ植民地主義の衝撃とイスラーム世界
    近代におけるスーフィズム・タリーカ・聖者信仰複合現象批判
    ネオ・スーフィズム論
    新しいタイプのタリーカ
    タリーカによる反植民地闘争
  3 近代国家とタリーカ
    国家によるタリーカ弾圧
    スーフィズム・タリーカ復興
    イスラーム世界を超えて
  コラム
    「イスラム原理主義」とスーフィズム
    「奇蹟」か「奇行」か?
    タリーカの慣行
第4章 アフリカに拡大するイスラーム
  1 イスラームの拡大と浸透
    アフリカをめぐる世界構造の変化
    
刊行にあたって:
テロの脅威とともに明けた21世紀。世界では局地的な戦争も多発し、これらさまざまな対立の背後に、「宗教」の影が見え隠れしています。宗教は現在の世界を考えるうえで、不可欠な要素です。

本シリーズでは、単に各々の宗教の歴史を通観するのではなく、人びとの生活のなかに息づく信仰に踏み込み、各宗教の地域的な広がりにも着目して、現実に宗教が人間の歴史にどうかかわってきたのか、聖と俗の両面から「歴史のなかの宗教」を考える。