読めない文字に挑んだ人々 ヒエログリフ解読1600年史

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2,200円 (税込)
在庫: 在庫あり
解説:  シャンポリオンがロゼッタ・ストーンを手がかりに、古代エジプト語のヒエログリフ(聖刻文字)を解読したという話は有名だが、その前後、長い期間にわたって様々な人々の挑戦があったことはあまり一般には知られていない。忘れ去られた文字となってからシャンポリオンの解読に至るまでの経緯と、シャンポリオン以降に残された課題への取り組みの双方にスポットを当て、その歴史を紹介する。また、「ひとつの文字体系の解読」というテーマを通して、研究の積み重ねの価値についても考える。
 第Ⅰ部では、古代エジプト文字の概要や歴史的背景について基礎知識を解説し、第Ⅱ部で、古代エジプト文字の解読に挑んだ人々と解読の歴史について紹介する。
ISBN:
978-4-634-15246-5
著者: 宮川創  河合望監修 
刊行:
2024年7月
仕様: 四六  ・  256ページ
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目次:
まえがき

第Ⅰ部 ヒエログリフを理解しよう!

 第1章 ヒエログリフとは?
  エジプトの地勢と文字の特徴
  3つの文字とコプト文字
   ヒエログリフ(Hieroglyph)/ヒエラティック(Hieratic)/デモティック(Demotic)/コプト文字(Coptic Alphabet)
  ヒエログリフ
    筆記体ヒエログリフ(cursive hieroglyph)
  ヒエラティック
    アブノーマル・ヒエラティック(Abnormal Hieratic)
  デモティック

 第2章 ヒエログリフの文字体系
  表音文字(phonogram)
    3種類の表音文字/母音の扱い/人工的な母音の挿入/多様な読み方/リーバス法/音声補充符
  表語文字(logogram)
    メトニミー的な用法/表音文字的な用法/表音文字としても表語文字としても機能する文字/表語文字の多面性の例
  限定符(determinative)
  読字方向
  ヒエログリフの体系のまとめ
 
 第3章 古代エジプトの文字と言語の歴史
  文字以前のエジプト語
  古代エジプト文字の起源 プロト・ヒエログリフ
   コラム エジプトの歴史
  初期王朝時代・古王国時代・第1中間期
  中王国時代と第2中間期
  新王国時代
  第3中間期~ローマ時代
  コプト語とヒエログリフの解読
   コラム 現代コプト語の発音
  古代エジプト文字から派生した文字
  まとめ:現在わかっているエジプト語史と文字

 
第Ⅱ部 ヒエログリフ解読への道

 第1章 古代ギリシア・ローマ時代
  古代エジプトと古代ギリシア
  エジプトのギリシア人都市ナウクラティス
  ヘロドトス〔古代ギリシア〕
    ヘロドトスの視点①:エジプトの地理/ヘロドトスの視点②:エジプトの文化
  アレクサンドロス大王の東方遠征とプトレマイオス朝エジプト
   コラム セラピス神とアピス神
  マネトン(マネト)〔プトレマイオス朝エジプト〕
  アレクサンドリアの図書館
  ディオドロス〔シチリア〕
  カイレモン〔ローマ期エジプト〕
  プルタルコス〔ローマ期エジプト〕
  キリスト教の台頭とヒエログリフ理解
  クレメンス〔ローマ期エジプト〕
  プロティノス〔ローマ期エジプト〕
  アンミアノス〔ビザンツ期レバント地方〕
  最後のヒエログリフとデモティック

 第2章 中世における研究
  ビザンツ帝国によるエジプト支配
  キリスト教の分裂
  ホラポロン〔ビザンツ期エジプト〕
  イスラム教の成立とエジプト征服
  イブン゠マスラマ〔アッバース朝〕
  イブン゠ワフシーヤ〔中世イラク〕
  アブー・アル゠カーシム〔マムルーク朝エジプト〕
  コプト語の衰退
  クースのアタナシオス〔マムルーク朝エジプト〕

 第3章 近世・近代における挑戦
  キルヒャー〔ドイツ〕
  ニーブール〔ドイツ〕
  ウォーバートン〔イギリス〕
  バルテルミ〔フランス〕
  ギーニュ〔フランス〕
  ゾエガ〔デンマーク〕

 第4章 ナポレオンとロゼッタ・ストーン
  フランス革命とナポレオン
  ナポレオンのエジプト遠征と随行学者たち
  ロゼッタ・ストーンと解読への期待
  ド・サシ〔フランス〕
  オーケルブラド〔スウェーデン〕
  ヤング〔イギリス〕

 第5章 シャンポリオンによる解読
  シャンポリオン〔フランス〕
  フーリエとの出会い
  ヒエログリフとコプト語の研究
  フィラエ島のオベリスク
  ロゼッタ・ストーンからの解読
  『ダシエ氏への書簡』 〔1822年〕
  『エジプト語文法』 〔1836年〕
    表音文字への解釈/表語文字の解釈/限定符の解釈
  シャンポリオンができたこととできなかったこと

 第6章 シャンポリオン後のヒエログリフ研究:エジプト学への発展
  ここまでのまとめと現代へのバトン
  マリエット〔フランス〕
  マスペロ〔フランス〕
  レプシウス〔ドイツ〕
  ブルクシュ〔ドイツ〕
  エーベルス〔ドイツ〕
  エルマン〔ドイツ〕
  ゼーテ〔ドイツ〕
  グラポウ〔ドイツ〕
  エリクセン〔デンマーク〕
  メラー〔ドイツ〕
  シュピーゲルベルク〔ドイツ〕
  シュタインドルフ〔ドイツ/アメリカ〕
  グリフィス〔イギリス〕
  ガーディナー〔イギリス〕
  ガン〔イギリス〕
  フォークナー〔イギリス〕
  ポロツキー〔ドイツ/イスラエル〕
  チェルニー〔チェコ/イギリス〕
  イスラエリート゠グロル〔イスラエル〕
  バキール〔エジプト〕


あとがき

参考文献/画像出典/URL一覧