幕末維新史への招待

世の中の常識と乖離する、〈最新の時代像〉を知る!
価格
1,980円 (税込)
在庫: 在庫あり
解説: 幕末維新史研究の最前線で活躍する気鋭の研究者が、それぞれの専門分野から、研究上の到達点を一般向けにわかりやすく紹介。
戦国時代と並び、歴史小説や映像作品などエンターテインメントの題材として扱われてきた幕末維新期だが、その一方で、他の時代に比べ、研究成果と一般認識の差異がより大きい。
そこで本書では、「時代を変えた英雄たち」といった視点ではなく、幕末維新期における朝廷・幕府などの諸勢力や当時の社会状況、事件・戦争について、「一般には○○と思われているが、研究上では△△ということがわかってきている」という切り口で、当時の日本と日本を取り巻く国際環境を理解する。
ISBN:
978-4-634-15231-1
著者: 町田明広 
刊行:
2023年4月
仕様: 四六  ・  280ページ
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目次:
はじめに

序章【研究の現在】
幕末維新史研究の最前線  町田明広

第1部 「幕末」とはどのような時代なのか
1章【世界情勢】幕末はいつからはじまるのか?  森田朋子
2章【鎖 国】なぜ「鎖国」から「海禁」と呼ぶようになったのか?  大島明秀
3章【尊王思想】「尊王」と「佐幕」は対立軸ではなかった?  奈良勝司
4章【社会の様相】幕末社会はどのような状況だったのか?  須田 努

第2部 再検証! 朝廷・幕府・諸勢力
5章【朝 廷】幕末の朝廷は、経済的に自立できていたのか?  佐藤雄介
6章【幕 府】開国後、諸大名との関係はどうなったのか?  藤田英昭
7章【一会桑勢力】畿内における幕府の統制力はどうだったのか?  篠﨑佑太
8章【薩摩藩】幕末の財政改革・経済再建は成功していたのか?  福元啓介
9章【長州藩】攘夷決行はほんとうに大転換点だったのか?  山田裕輝

第3部 幕末維新史の転換点
10章【ペリー来航】植民地化の危機はほんとうになかったのか?  田口由香
11章【違勅調印】なぜ、条約締結に勅許が必要だったのか?  後藤敦史
12章【倒幕と討幕】倒幕運動はいつからはじまったのか?  友田昌宏
13章【陸軍建設】奇兵隊や幕末の長州軍は、明治陸軍の源流なのか?  竹本知行
14章【海軍建設】幕府海軍は明治政府へ引き継がれたのか?  金澤裕之

第4部 「幕府の終焉」と「戊辰戦争」は自明だったのか?
15章【薩長同盟】倒幕のための軍事同盟ではなかった?  町田明広
16章【大政奉還】徳川慶喜の真意はどこにあったのか?  久住真也
17章【戊辰戦争】「官軍」VS「朝敵」という単なる権力闘争ではなかった?  宮間純一
18章【新政府の組織】公家たちは新政府でどのような役割を担ったのか?  刑部芳則
19章【明治維新の帰結】なぜ薩長は、新政府の主導権争いに勝てたのか?  久保田哲

終 章【後世の評価】明治維新はどのように論じられてきたのか?  清水唯一朗

コラム「幕末維新史の諸相」 
■語学受容の実態  益満まを
■維新直後に主導された京都の近代化――明石博高と「お雇い外国人」 光平有希
■あまり使われなくなった「~派」という歴史用語  友田昌宏