偽書が揺るがせた日本史

価格
1,980円 (税込)
在庫: 在庫あり
解説: 教科書にも載せられ、私たちの「常識」の一部を形作ってきた書物・文書のなかにも「偽書」と判明したものもある。そこで、古代以降、「偽書」と呼ばれる書物に秘められた奥深さを検討し、日本史におけるもうひとつの「真実」を探る。
ISBN:
978-4-634-15163-5
著者: 原田実 
刊行:
2020年3月
仕様: 四六判  ・  272ページ
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目次:
はじめに
Ⅰ ―― 時代への欲求が生み出した偽書
第1章 古代日本の「偽書?」弾圧事件――「正史」とはなにか?
第2章 「名言」として伝わる身近な偽書――「東照宮御遺訓」ほか
第3章 偽書づくりの巨人・沢田源内――『和論語』ほか
第4章 現在も普及している古典に潜む偽書疑惑――『三教指帰』「慶安御触書」ほか
第5章 地域の観光資源として利用された偽書――『武功夜話』『東日流外三郡志』
第6章 郷土史教材として活用された稀代の偽書群――『椿井文書』
第7章 狙い目となった神代の空白期――「超古代史」誕生の土壌
第8章 「超古代史」「古史古伝」ブームと言葉の定義
第9章 伊勢神宮から生まれた偽書――『先代旧事本紀大成経』
第10章 歌道と関わりのある偽書――「鵜鷺系偽書」「ヲシテ文献」
第11章 文学作品の偽作――「『誘惑女神』事件」ほか
第12章 引用された架空の文献――「中世日本紀」ほか
第13章 「口伝」を装った歴史の偽造――「易断史料」「江戸しぐさ」ほか
第14章 中世と近世以降の偽書の違い

Ⅱ ―― 偽書と陰謀論
第15章 偽書に力を加える「陰謀論」の存在
第16章 戦前の弾圧事件に付きまとう陰謀論――『竹内文献』「九鬼文書」ほか
第17章 弾圧されたから残った? 偽書――「中山文庫」事件
第18章 「壁の中」から偽書が生まれる理由――「偽古文尚書」『東日流外三郡志』
第19章 日本にも上陸した史上最悪の偽書――『シオンの議定書』
第20章 米中に利用された日本の「世界征服計画」――「田中上奏文」
第21章 青年将校たちを煽動したクーデター指南書――『南淵書』
第22章 名士が集まった昭和の偽書顕彰運動――『富士宮下文書』
第23章 戦後の古代史ブームとともに再評価――『富士宮下文書』
第24章 オウム真理教の教義は偽書の寄せ集めだった
第25章 現代の偽書、フェイクニュース

Ⅲ ―― 歴史資料として偽書をどう扱うか
第26章 偽書研究の嚆矢となった二人の研究者
第27章 偽書を研究対象にさせた歴史学のパラダイム転換
第28章 偽書研究の画期となった一九九〇年代
第29章 学際的偽書研究の勃興
第30章 偽書は体制批判に使えるか?

あとがき
参考文献
書名別索引