古代地中海世界と文化的記憶

価格
8,800円 (税込)
在庫: 未刊
解説: 古代地中海世界では、紀元前8世紀から紀元前5世紀にかけて卓越した文明が繁栄し、そこで達成された知的成果は、人類共通の文化遺産として、今日なお普遍的な価値を保ち続けている。
このような文明世界が成立し、さまざまな変容を伴いながらも長期にわたって独自の創造性を発揮することができた、その根本的な要因とは何だったのか。
個人と集団のアイデンティティに関わる文化的記憶こそがこの問題を検討するためのもっとも重要な鍵概念になるのではないかという見通しのもと、さまざまな文化的記憶を創出・強化した知の動態の解明に向けて進めてきた研究の成果を紹介する。

本書は、桜井万里子・師尾晶子編『古代地中海世界のダイナミズム―空間・ネットワーク・文化の交錯―』(山川出版社 2010年)の続編にあたり、この10年間に古代地中海世界の歴史学、考古学、美術史学などの諸分野において先端的な研究を蓄積してきた研究者が、関連するそれぞれの研究成果の一端を一般読者にも分かりやすい形で提示した。あらためて古代ギリシア、エジプト、ローマ世界の文化の奥深い魅力を味わっていただきたい。

※7/15新刊配本予定
ISBN:
978-4-634-67255-0
著者: 周藤芳幸 
刊行予定:
2022年7月
仕様: A5  ・  464ページ
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目次:
序章 「文化的記憶」とは何か  

第Ⅰ部 古代エジプトにおける王権・神殿と文化的記憶
第1章 ギザのスフィンクスの文化的記憶  
第2章 古代エジプト王朝時代における「あるべき記憶」とその媒体 
第3章 ある王像に彫られた文様の記憶  
第4章 ローマ期エジプトの地方神殿と図書館 
第5章 ファイアンス製品の文化的記憶とその変容 

第Ⅱ部 古代ギリシア世界における想起とアイデンティティ形成
第6章 僭主殺害者像とアテナイ民主政の文化的記憶  
第7章 前六世紀と前五世紀のアテナイ芸術における女性、子供、老人の聖域避難の図像
第8章 古典期アテナイにおける喧騒の記憶とその共有  
第9章 記憶の継承としてのエフェベイア  
第10章 「過去」を操るマケドニア王たち 
第11章 他者が語るフェニキア人とその記憶 

第Ⅲ部 古代ローマ社会における記憶の保存、伝達と継承
第12章 キケロの書簡にみるアテナイの哲学学校と古代ローマの別荘  
第13章 ローマ帝国における皇帝イメージの検閲・伝達・記憶  
第14章 塗り重ねられるギルドー「反乱」の記憶  
第15章 アインジーデルン碑文集成と中世における古代ローマ碑文の記憶