近代中央ユーラシアの眺望

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5,280円 (税込)
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解説: 今日のグローバリズムの時代において、世界はますます距離を縮めている。中央ユーラシア地域もまた例外ではない。しかしながら、今の日本において、中央アジアからヴォルガ・ウラル、クリミア、コーカサスまでを含むこの広大な空間について、はっきりとした地域像が結ばれるとはいいがたい。その歴史像は漠然としたイメージが先行して語られることが多いだろう。本書は、1991年のソ連解体を経て大きな変容を遂げた中央ユーラシア史研究の最新の成果を、とりわけこの地域が近代帝国に包摂されていく19世紀から20世紀初頭に焦点をあてて多面的に示し、より鮮明な歴史像を描こうとするものである。
各章の考察によって、中央ユーラシア史の最大の魅力とも呼ぶべき、民族・言語・文化といった多様な要素の共存がいっそう浮き彫りになるだろう。
ISBN:
978-4-634-67249-9
著者: 野田 仁著・編  小松久男著・編  小沼孝博  坂井弘紀  秋山徹  宇山智彦  塩谷哲史  河原弥生  植田暁  清水由里子  濱本真実  佐々木紳  帯谷知可  長縄宣博  ティムール・ダダバエフ 
刊行:
2019年10月
仕様: A5  ・  320ページ
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目次:
はじめに 中央ユーラシア史研究の現在 (野田仁)
プロローグ 遊牧民とオアシスの民,そして交易―モグール・ウルスからジューンガルへ (小沼孝博)
第I部 遊牧民社会の実像
 第1章 英雄叙事詩が伝えるノガイ・オルダ  (坂井弘紀)
 第2章 遊牧民の法と社会―ロシア統治下カザフ草原における19世紀前半の変容 (野田仁)
 第3章 遊牧英雄のリアリズム―近代を生きたあるクルグズ首領一族の生存戦略 (秋山徹)
 第4章 カザフ知識人とイスラーム―遊牧民社会の近代化の方向性をめぐって (宇山智彦)
第II部 オアシス地域の変動
 第5章 19世紀コングラト朝ヒヴァ・ハン国の君主像 (塩谷哲史)
 第6章 ワリー・ハン・トラ―コーカンド・ハン国滅亡期におけるマルギランのスーフィー指導者 (河原弥生)
 第7章 中央アジアの綿花モノカルチャー―ロシア帝政期からソ連初期のフェルガナ地方を対象に (植田暁)
 第8章 東トルキスタンの近代―ジャディードたちの改革運動 (清水由里子)
第III部 イスラームとネットワーク
 第9章 タタール商人の新疆進出 (濱本真実)
 第10章 オスマン帝国からみた中央ユーラシア―汎イスラーム主義の射程 (佐々木紳)
 第11章 帝政ロシアにおけるムスリム女性をめぐる言説とその共振―A. アガエフの著作を中心に (帯谷知可)
 第12章 言説空間のひろがり―アブデュルレシト・イブラヒムの足跡をたどって (小松久男)
 第13章 帝国の協力者か攪乱者か―ロシア帝国のタタール人の場合 (長縄宣博)
エピローグ 中央アジアにおけるソ連時代の記憶 (ティムール・ダダバエフ)