《山川歴史モノグラフ》24.日本中世初期の文書と訴訟

価格
5,500円 (税込)
在庫: 在庫あり
解説: 日本中世初期の文書史および訴訟・紛争解決の構造について再検討を加え,文書機能論・日本法制史というテーマから,史料論と歴史学の相互関係を論じる
ISBN:
978-4-634-52348-7
シリーズ: 山川歴史モノグラフ 24
著者: 佐藤雄基 
刊行:
2012年11月
仕様: A5判  ・  312ページ
このエントリーをはてなブックマークに追加
詳細をみる
目次:
序章 本書の課題と視点
  はじめに
  1 古文書学の現状と課題
     - 「今に伝えられてきた文書」のための古文書学をこえて
  2 古文書学と法制史学のあいだ
     - 様式論・制度史から機能論・社会史へ
  3 中世初期の訴訟研究の現状と課題
  4 本書の課題と構成

第一部 文書機能論と文書史 - 古代文書から中世文書へ
 第一章 牒と御教書 - 文書の機能論的系譜
  はじめに
  1 牒と御教書にみる機能の系譜
  2 牒にみる奉書様式
  3 古代文書から中世文書への文書体系の展開
  おわりに
 第二章 院庁下文と国司庁宣 - 文書史と政治史
  はじめに
  1 院庁下文と国司庁宣との関係にみる三つの類型
  2 国司庁宣によって施行される院庁下文
     - 家牒・院庁牒の系譜
  3 国司庁宣の安堵状としての院庁下文 - 後白河院政期
  4 諸国支配をめぐる院庁下文の変容
  おわりに
 第一部 小括

第二部 院政期訴訟と文書機能論 - 権門裁判
 第三章 院政期の挙状と権門裁判 
     - 権門の口入と文書の流れ
  はじめに
  1 権門の挙状と口入
  2 権門裁判と口入
  3 権門の口入を自制する本所法の生成
  おわりに
 第四章 権門裁判における「裁許状」の機能 - 去文と安堵状
  はじめに
  1 裁許と当事者間交渉
  2 去文としての「裁許状」
  3 安堵状としての「裁許状」
  4 十世紀の告書の機能
  おわりに
 第二部 小括

第三部 院政期訴訟から鎌倉幕府訴訟へ - 裁許の位相
 第五章 勘状と裁許 - 鎌倉幕府許状の歴史的位置
  はじめに
  1 明法勘文の機能 - 院政期~鎌倉前期
  2 記録所勘状の機能
  3 鎌倉幕府訴状における勘状の機能
  おわりに
 第六章 鎌倉幕府の起請文と裁許 - 神仏と理非
  はじめに
  1 鎌倉幕府訴訟制度における起請文の機能
  2 院政期訴訟における起請文の機能
  3 起請文と武家法・公家法
  おわりに
 第三部 小括

 終章 まとめと展望
  1 平安期の文書史 - 古代文書から中世文書へ
  2 院政期の権門裁判像 - 古文書学と法制史学のあいだ
  3 鎌倉幕府訴訟の位置 - その前史から

あとがき
初出一覧
付録 - 索引