《イスラームを知る》9. マイノリティと国民国家 フィリピンのムスリム

価格
1,320円 (税込)
在庫: 在庫あり
解説: キリスト教徒が90%を占めるフィリピンで,宗教的少数派であるムスリム。分離独立や自治を求めて,20世紀に彼らが展開してきた政治・社会運動「イスラーム運動」を通じ,国民国家との関係を考える。
ISBN:
978-4-634-47469-7
シリーズ: イスラームを知る 9
著者: 川島緑 
刊行:
2012年4月
仕様: A5判  ・  112ページ
このエントリーをはてなブックマークに追加
詳細をみる
目次:
フィリピンのムスリム
第1章 フィリピン・ムスリムとはどんな人びとか
  多言語、多文化状況を生きる人びと
  マジョリティからみたムスリム像
  植民地国家周辺部への編入
第2章 フィリピン共和国の制度とムスリム
  国家と宗教の関係
  ムスリム行政の概要
  不平等の構造
第3章 イスラーム運動の展開 - 18世紀から1960年代まで
  フィリピンのイスラーム知識人
  二十世紀前半のイスラーム改革運動
  マッカ留学の先駆者たち
  カイロ留学の先駆者たち
  民謡のなかの防衛ジハード
第4章 モロ民族独立運動
  新世代ムスリム・リーダーの台頭
  モロ民族解放戦線
  モロ・イスラーム解放戦線
   創設者サラマト・ハシム/サラマトの思想/
   社会的基盤/ミンダナオ和平プロセス
第5章 新局面のムスリム政治・社会運動
  漸進的イスラーム政治運動
   オンピア党
  イスラーム過激派
  フィリピン左翼とムスリム
  イスラーム教育の新展開
   統合イスラーム学校/女性のイスラーム教育への参加
  モロ民族独立運動がのこしたもの

コラム
  01 セント・ルイス博覧会とモロ
  02 日本のフィリピン占領とモロ
  03 暮らしのなかのイスラーム
参考文献
図版出典一覧  
メッセージ・あとがき:
イスラーム教徒の考え方や行動の様式は,日本人の場合とはかなり異なっている。そこにイスラーム理解の難しさもあるし,同時にイスラームを知る意義もあるといえよう。現代の私たちは,グローバル化したイスラームの宗教や文明に向き合い,これをさらに深く理解する必要に迫られている。「イスラームを知る」シリーズは,全国的な共同研究「NIHU(人間文化研究機構)プログラムイスラーム地域研究」の成果であり,異文化理解へ向けて信頼ある案内役を果たしてくれるものと信じている。