《YAMAKAWA SELECTION》野戦郵便から読み解く「ふつうのドイツ兵」 第二次世界大戦末期におけるイデオロギーと「主体性」

価格
1,540円 (税込)
在庫: 在庫あり
解説: 敗色濃厚な大戦末期にあって、なぜドイツ兵たちは戦い続けたのか。兵士の手紙5477通からその心性に迫る、エゴ・ドキュメントの歴史学。

2012年に刊行された同書を一般読者向けに改稿した上で、章ごとに「本章全体の問い」「内容確認のための問い」を設けて、高校・大学などで史料を用いた学習を支援するよう編まれた新装版。
ISBN:
978-4-634-42407-4
シリーズ: YAMAKAWA SELECTION(山川セレクション)
著者: 小野寺拓也 
刊行:
2022年12月
仕様: B6変(120×182㎜)  ・  352ページ
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目次:
序 章 ナチ体制と「ふつうの人びと」
はじめに
本書における問いと視点/野戦郵便という史料の性格/検閲と「代表性」をめぐって/取り上げる史料について

第一章 「ふつうのナチ」HKの場合
はじめに
 1 「銃後」のHK
   RADにて/訓練期間
 2 前線のHK
   前線に到着/前線後方で
   おわりに

第二章 戦友意識・男らしさ
   はじめに
 1 軍隊内の結びつきと軋轢
   地域/社会階層/兵科/軍隊階級/前線と後方/宗派/軍隊と一般社会/戦友と友人/
   軍隊のなかの市民社会
 2 男らしさ、ハードであること
   軟弱になることへの恐怖/解離/鈍感になるということ、思考停止/勇敢さ、耐え抜く意志/
   試練としての苦境、人間としての「成長」/故郷の女性に求められる男性性/
   「ハードであること」の意味
   おわりに

第三章 暴力経験・被害者意識
   はじめに
 1 直接・間接の暴力経験
   前線における暴力経験/粗暴化する軍隊/暴力情報のネットワーク(1)―空襲/
   暴力情報のネットワーク(2)―避難民
 2 主体性の喪失と「回復」
   現地住民からの徴発/対パルチザン作戦/被害者意識と主体性
   おわりに

第四章 他者・自己イメージ
   はじめに
 1 敵・他者イメージ
   ユダヤ人/ロシア軍・ボリシェヴィキ/英米軍/本国の外国人/現地の住民/土地や文化
 2 味方・自己イメージ
   ヒトラー/政治指導者・軍指導部/ドイツ・ドイツ人/犠牲・義務/総力戦体制/故郷・家族
   おわりに

終 章 イデオロギーと「主体性」
   イデオロギーをめぐって/「主体性」をめぐって

あとがき
引用手紙一覧
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