明治維新 勝者のなかの敗者 堀内誠之進と明治初年の尊攘派

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解説: 「堀内誠之進」という土佐藩出身の幕末維新の志士がいる。今日、その名はほとんど知られていないが(『日本人名大辞典』講談社には記載あり)、寺石正路『続土佐偉人伝』(1923)には、「誠之進三度謀反の企てにあづかり三度失敗して遂に獄中に憤死す其そ行、中道にあらずと雖も倔強の奇男子なりといふべし」と紹介されている。
この3度というのは「奇兵隊の反乱」(1870年)、「二卿事件」(1871年)、「西南戦争」(1877年)であり、いずれも攘夷を捨てた有司専制の新政府に対する決起行動で、堀内は首謀者またはオーガナイザーとして深くかかわった。
堀内の生涯には、徳川幕府を倒し新政府の樹立に功ありながらも維新後切り捨てられ、弾圧されていった幾多の「草莽の志士」「不平士族」たちの失望、憤激、悲劇が凝縮されており、そうした理想に敗れたものたちのなかにあって「征韓論」「西南戦争」「自由民権運動」と幅広くかかわった稀有な人物であるため、彼の生涯を追うことでそうした様々な敗者を具現化できるのではないかと考える。
ISBN:
978-4-634-15195-6
著者: 遠矢浩規 
刊行:
2021年7月
仕様: 四六  ・  400ページ
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目次:
はじめに 

第Ⅰ部 脱藩草莽篇

第1章      生い立ち 
第2章      幕末 
第3章      維新後の攘夷派 
第4章      大村益次郎暗殺 
第5章      奇兵隊反乱 
第6章      同時多発クーデター計画 
第7章      二卿事件 

第Ⅱ部 不平士族篇

第8章      鹿児島預かり 
第9章      弟たち 
第10章 西南戦争 
第11章 土佐派の陰謀 
第12章 潜伏逃亡 
第13章 最期 

史料紹介「獄中書簡(堀内誠之進)ほか」 
あとがき――発見された二つの書簡