クライシスマネジメントの本質 本質行動学による3.11 大川小学校事故の研究

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2,750円 (税込)
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解説: 東日本大震災から10年。なかでも108名のうち74名が犠牲となった大川小学校(宮城県石巻市)の事故は、「人災」とする遺族らによる長い闘いの末、2019年の最高裁決定で教育行政の「組織的過失」が認定された。なぜ隣接する裏山へ子供たちは逃げられなかったのか?なぜ市教委の事後対応は遺族たちに不信感を与え、その後の検証委員会も遺族らの疑問を解明できなかったのか?震災直後から現地でこの問題に取り組み、「組織的過失」を予見していた著者が、その「失敗の本質」を明らかにし、教訓からクライシスマネジメントのあり方を提言する。
ISBN:
978-4-634-15186-4
著者: 西條剛央 
刊行:
2021年3月
仕様: 四六  ・  544 +折込口絵ページ
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目次:
はじめに

第一部 本質行動学による大川小学校事故の研究
      —質的研究法SCQRMによる科学的構造化と提言

 第一章 大川小学校の事故の謎に迫るー事故の「構造化」について
 第二章 あの日の校庭ー構造化による概念、カテゴリーの生成
 第三章 事故の構造 なぜ大川小だったのかー事故の「背景要因」「大川小固有の要因」とは
 第四章 10の謎の解明―構造から導き出される「なぜ」への回答
 第五章 あの日、何を最優先にすべきだったかー未来の命を守るための10の提言

第二部 大川小学校事故の「事後対応」マネジメントの研究
     ―遺族たちはなぜ、司法による真相解明を求めざるをえなかったのか

 第六章 大川小学校の校庭を支配した「超正常性バイアス」
      —意志決定の停滞を招いた心理的要因に焦点化した構造化
 第七章 教員組織のクライシスマネジメント
      —組織的過失の土壌「事なかれ主義」の学校経営
 第八章 事故対応のクライシスマネジメント
      ―石巻市教育委員会の事後対応を検証する
 第九章 大川小学校検証委員会のあり方を検証する
—報告書の科学性と公共性、第三者委員会のリスクアセスメント

第三部 クライシスマネジメントの本質
     ―組織、教育、社会の不条理に対抗する本質行動学の視座
 第十章 大川小学校事故裁判からの教訓
      ―組織の不条理を乗り越え、新たな意味を与えるために
 第十一章 大川小学校から教育の不条理を越え「未来を拓く」
       ―大川小学校初の校長研修が始まる
 第十二章 石巻市、被災地で初めて原発再稼働に同意する
       ―社会の不条理を引き起こす心理構造の解明、まっとうなクライシスマネジメントを実現するために必要なこと

あとがきにかえてー大川小学校と本質行動学