世界恐慌とブロック経済 経済の第二次世界大戦前史

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1,760円 (税込)
在庫: 在庫あり
解説:  1929年に発生した世界恐慌は、安定しつつあった世界経済を奈落の底へ落とした。恐慌に対応するため各国が実施したのが「ブロック経済」であった。一体「ブロック経済」にはどのような効果があったのか、どのような結果をもたらしたのか。第二次世界大戦へつながる「ブロック経済」の実態を明らかにする。
 本書は、まず「ブロック経済」の大きな理由となった世界恐慌の背景をみるために、国際金本位制に支えられた19世紀の自由主義的な世界経済が、第一次世界大戦を経てどのように変容し、大戦後はどのように再建が試みられたのかを解説する。そして、世界恐慌の要因、世界へと波及した過程を詳細に論じる。
 その結果として現れた「ブロック経済」については、スターリング・ブロックや金ブロックなど、各「ブロック」がどのように形成され、展開したのか、その実態を丁寧に紹介する。ドイツや日本の「ブロック化」の動きについても取り上げ、「ブロック化」が戦争の原因だといえるのかについても検討する。
 対立と分断が深まる今日の国際情勢を前に、改めて世界恐慌と「ブロック経済」を検証する。
ISBN:
978-4-634-64112-9
著者: 石見徹 
刊行:
2024年8月
仕様: 四六  ・  144ページ
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目次:
はしがき
第1章 第一次世界大戦を通じた変化
  1 「自己調整的市場」の後退
  2 中心国の移行
  3 戦債・賠償問題
第2章 「正常化」と「相対的安定」
  1 戦後インフレの終息
  2 金本位制の再建
  3 世界経済の「相対的安定」
第3章 恐慌の世界的波及
  1 アメリカの大恐慌
  2 ヨーロッパの銀行・通貨危機
  3 多角的資金循環の瓦解
  4 世界恐慌はなぜ起こったのか
第4章 「ブロック経済」
  1 スターリング・ブロック
  2 金ブロック
  3 ナチスの広域経済圏
   補論1 イタリア
   補論2 ソ連
  4 アメリカの通商政策
  5 円ブロックと大東亜共栄圏
  6 「三国通貨協定」から戦後構想へ
結語 経済の「ブロック化」から何を読み取るか
参考文献
あとがき