《歴史のフロンティア》十字架と三色旗 もうひとつの近代フランス

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解説: 国民統合をめぐるカトリック教会と共和派の熾烈なヘゲモニー闘争のあとをたどり,「大革命と啓蒙の国」のかげに隠されたもうひとつのフランス近代に迫る。
ISBN:
978-4-634-48150-3
シリーズ: 歴史のフロンティア
著者: 谷川稔 
刊行:
1997年11月
仕様: 四六判  ・  276ページ
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目次:
序章 もうひとつの近代フランス
第一章 カトリック的フランスの解体
 1.ガリカニスムの刷新
 2.公民宣誓と教会分裂
 3.テルールと聖職者の解体
第二章 カプララ文書の世界
 1.カプララ文書の数奇な運命
 2.カプララ文書の語るもの
第三章 文化革命としてのフランス革命
 1.空間と時間の世俗化
 2.「公民」の創出
 3.徳育としての革命祭典
 4.「習俗の革命」は成ったか?
第四章 十九世紀の「村の司祭」と「田舎教師」
 1.復権する教会と「村の司祭」
 2.草創期の「田舎教師」
第五章 第二共和政期の司祭と教師
 1.二月革命とカトリック
 2.カルノー法からファルー法へ
 3.民衆のなかの反教権意識
第六章 第三共和政下の学校と教会
 1.国民統合の旗手-共和国の司祭
 2.エミール・コンブの「宗教戦争」
 3.ブルターニュの抵抗
 4.エピローグとしての政教分離法
終章 「ライシテのフランス」と文化統合のジレンマ
あとがき

付録
索引/文献案内/本文引用史料・文献一覧・図表出典一覧  
メッセージ・あとがき:
あなたは,フランス近代史にどんなイメージを抱かれるでしょうか。わたしの学生時代のフランスは,「ルソー,大革命,パリ・コミューン」の国でした。あれから30年,本書で描こうとしたのは,この「自由・平等・友愛」の共和国像のかげに,ながいあいだ隠されてきた「もうひとつのフランス的近代」の物語です。フランス革命は人びとの生活規範をどう変えようとしたのか。国民統合をめぐる共和派とカトリック教会のヘゲモニー闘争のあとをたどります。19世紀の登場人物は、村の司祭と田舎教師。バルザックやフロベールがあなたの想像力を刺激してくれるかも知れません。