縄文の列島文化

価格
1,980円 (税込)
在庫: 在庫あり
解説: 日本列島の縄文時代は、地域によって異なる文化を育んでいた。集落の周辺に作物を植え、竪穴住居にも土壁を用い衣食住にも工夫をこらすなど、近年の成果から明らかになった意外に豊かな縄文人の生活について論じる。
ISBN:
978-4-634-15133-8
著者: 岡村道雄 
刊行:
2018年7月
仕様: 四六  ・  240ページ
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目次:
はじめに―――縄文文化観は、いつどのように変わってきたか
一 縄文ユートピア論
二 縄文観の転換
三 本書のねらい

第一章  私たちのルーツ―――考古学の観点
一 最古人類についての探究方法
二 日本列島人はいつどこからきたのか?
三 最古人の探究と論争 
四 私たちの祖先―――列島最古の人類
五 旧石器文化から見た列島文化のルーツ
六 後期旧石器文化の地域的固有化
七 縄文文化の始まりと定住、地域文化圏の断続的継承
八 稲作文化の受容
九 弥生時代以降の東北・東海道
十 約四万年前からの後期旧石器時代に遡る私たちのルーツ

第二章  列島、西と東 ―――各地域の文化圏
一 上空から見た東アジアの新石器文化
二 縄文文化の範囲と地域文化圏―――地理的・時間的枠組み
三 豊かな列島に栄えた各地の地域文化
四 天変地異、気候変動などが縄文文化に与えた影響

第三章  三陸の豊かな里海 ―――松島湾宮戸島の縄文歳時記
一 画期的な貝塚の調査法
二  里浜貝塚における縄文時代晩期半ばの季節的な生業と食生活―――発掘による実証的研究と生態学・民俗学的解釈による里山・里海での暮し復元
三 宮戸島の約七千年前からの漁労史・津波被害
四 縄文以来の宮戸島津波災害史
五 発達した三陸の漁撈と漁労文化圏
六 縄文時代貝塚の特色と重要性

第四章  内陸の里山文化―――発達した植物利用とサケ漁
一 縄文時代にも里山があった
二 青森県是川中居遺跡の里山
三 縄文時代で最も重要な里山―――育成管理と利用
四 エゴマやマメ類などの栽培も行われた
五 水場の利用―――木組・石組の水溜、石敷き作業場など
六 里山が育んだ縄文スピリット―――自然との共生、循環・再生・持続の哲学
七 北の縄文文化を支えたサケ
八 縄文里山とサケ漁の重要性―――「サケマス論争」

第五章  定住を支えた交流・物流 ―――山や海を行き交う人々
一 頻繁だった交流と物流
二 各種の物流品を生産した遺跡
三 生産遺跡の生産性、専業化の程度と中継集落
四 列島各地の地域社会・定住を支えた物流

第六章  定住を支えた精神文化 ―――葬送と祭祀
一 死に係る考古学
二 私たち祖先の葬送と祭祀
三 各地域文化圏での埋葬・墓制、祭祀、送りとその変遷
四 葬送と祭祀のまとめ

あとがき  
コラム① 水田稲作を取り入れた時代の大変革―――時代区分の意味
コラム② 先祖の家は土屋根住居だった‼
コラム③ 低湿地遺跡の重要性