和菓子を愛した人たち

価格
本体1,800円 + 税
在庫: 在庫あり
解説: 永い間、人々の歴史や人生の瞬間に、付き添うようにして食されてきた和菓子。
一見、素朴に見える羊羹も、味の深みや繊細な陰翳が向田邦子、夏目漱石らに愛されてきた。本書は、武士や貴族そして文化人まで、歴史に登場する人たちと和菓子の隠れたエピソードを綴る。
ISBN:
978-4-634-15104-8
著者: 虎屋文庫編著 
刊行:
2017年6月
仕様: 四六  ・  304ページ
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目次:
第1章 文学の名脇役
紫式部と椿餅―蹴鞠のあとの定番菓子
吉田兼好とかいもちひ―ご馳走の正体は?
井原西鶴と日本一の饅頭―お気に入りの名店、二口屋
松尾芭蕉と「ところてん」―涼菓の美しさに思わず一句
二代目市川団十郎と「ういろう」―小田原銘菓は薬屋から⁉
近松門左衛門と姥が餅―「乳母」と「姥」の掛詞
鳥居清長と松風―美人画の名手に選ばれたヒロイン
十返舎一九と名物菓子―笑える失敗談は読者サービス
宮沢賢治と団子―鹿も踊りだす、素朴なおいしさ
谷崎潤一郎と羊羹―陰翳の美なるもの
三島由紀夫と菊形の干菓子―「淋しい優雅」の味

第2章 あの人の逸話
源頼朝と矢口餅―伝統の儀式は三色の餅で
道元と饅頭―寺院では汁を添えて
明智光秀と粽―食べ方で語られる武将の器
荒木村重と饅頭―串刺しで度胸試し
伊達政宗と煎餅―独眼竜、京都で探す
豊臣秀吉とのし柿―幼い息子の行く末を案じる
吉良義央とカステラ―「忠臣蔵」では出番なし
尾形光琳と色木の実・友千鳥―天才画家が選んだ菓子は?
富岡鉄斎と饅頭―ご近所の仙人
幸田露伴と菓子製法書―ちょっと良き本なり
石川啄木とかき氷―壮大なる言い分
武井武雄と菓子の敷紙―人気童画家オリジナルの紙に載せて

第3章 心が通う贈り物
清少納言と餅餤―紙包みの中身は
和泉式部と母子餅―親子をつなぐ草餅
日蓮と端午の粽・正月の「十字」―聖人さまの心温まる礼状
織田信長と金平糖―南蛮伝来の珍菓
ケンペルと十種類の日本の菓子―江戸城の広間にて
徳川光圀と福寿饅頭―友人の古稀祝いは盛大に
申維翰と求肥飴―朝鮮通信使と日本人僧侶の交流
頼山陽と小倉野―子の心親知らず?
ペリーと接待菓子―能の演目にちなんだ菓銘
ゴンチャローフが驚いた製菓技術―日本とロシアの菓子比べ
川路聖謨と洋菓子との出会い―未知なるものへの好奇心
ハリスが感動した日本の菓子―土産にできないのが残念!
岩崎小弥太とゴルフボール形の菓子―夫人の心遣いから生まれたロングセラー

第4章 徳川将軍をめぐる人々
徳川家康と嘉定―甘くて苦い敗戦
山科言経と揚げ饅頭―恩人のおもてなしには好物を
春日局と御譜代餅―病気平癒の願いを込めて
徳川綱吉と麻地飴―滋養に富む胡麻の菓子
徳川吉宗と安倍川餅・桜餅―人気の菓子の裏話
和宮と月見饅頭―六月の不思議な月見
天璋院と陣中見舞いの菓子―家茂・和宮の親代わりとして 
第5章 江戸の楽しみ
大岡忠相と幾世餅―元祖争いを解決した名判決
紀伊国屋文左衛門と饅頭―お大尽の道楽
恋川春町と粟餅―ベストセラー誕生
山東京伝と米饅頭―デビュー作は、菓子屋の物語
二代目澤村田之助と「みめより」―今も昔も宣伝には人気役者!
井関隆子と菓子いろいろ―暮しと記憶
三代目中村仲蔵と串団子―名優を喜ばせた江戸前の「四ツざし」
酒井伴四郎と江戸の菓子―食べて作ってご満悦
仮名垣魯文と船橋屋―宣伝広告、お任せあれ
淡島寒月と辻占―幻の菓子屋


第6章 旅で出会う
紀貫之と糫餅―歌人が見た菓子の看板
谷宗牧と蕨餅―茶屋で人生を振り返る
貝原益軒と「とち餅」「松餅」―他藩になし
土御門泰邦と安倍川餅―食いしん坊公家の甘いもの道中記
滝沢馬琴と大仏餅―美味い京名物見つけた!
大田南畝と端午の粽―所かわれば菓子かわる
屋代弘賢と雛祭りの菓子―菱餅を調べてみれば
名越左源太と葛煉り―流刑地で手作りのおやつ
内藤繁子と「くらわんか餅」―船中で談笑
前田利鬯と辻占昆布―宿での嬉しい出来事
内田百閒と故郷の菓子―昔の味を偲ぶ


第7章 我、菓子を愛す
徳川治宝と自慢の落雁―大名茶人の贅沢な趣味
近衛内前と蓬が嶋―関白殿下のオートクチュール菓子
寺島良安と達磨隠―謎ときで楽しむ
光格天皇とお好み菓子―古典文学ゆかりの御銘
良寛と白雪糕―最期に望むものは……
正岡子規と牡丹餅―彼岸のお見舞いに
夏目漱石と菓子―コスモスは干菓子に似ている
北原白秋とカステラ―詩に書き、歌に詠む
芥川龍之介と汁粉―パリのカフェを夢見て
寺田寅彦の好きな物―イチゴ・珈琲・金平糖
川崎巨泉と饅頭喰人形―どちらがおいしいか
岩本素白と菓子の商標―戦火に消えたコレクション
深沢七郎と今川焼―作家が焼き上げる夢の味


第8章 茶人の口福
千利休とふの焼―亭主好みの味やいかに
小堀遠州と十団子―すくい技に感嘆
近衛家煕と栗粉餅―さすがの者共なり
井伊直弼と千歳鮨―知られざる名菓
岩原謙庵とこぼれる菓子―いたずらに慌てる客たち?
益田鈍翁と桧扇形の菓子―歌仙画から出てきたような席主
原三溪と茶会の菓子―心中を無言のうちに語る
内藤繁子と「くらわんか餅」―船中で談笑
前田利鬯と辻占昆布―宿での嬉しい出来事
内田百閒と故郷の菓子―昔の味を偲ぶ


第9章 思い出は永遠に
樋口一葉と汁粉―身も心も温めた雪の日のご馳走
小金井喜美子とくず餅―家族団欒のひとときに
モースと文字焼―子どもたちの喜び
鏑木清方とよかよか飴売り―京橋・大根河岸風景
森鷗外と饅頭茶漬け―硬派な文豪の奇妙な好物
牧野富太郎とドーラン―研究仲間と食べたおやつ
室生犀星と幼少時代の菓子―小さな胸に刻まれた、ささやかな幸せ
中勘助と駄菓子―幼き日の宝物
斎藤松洲と「目食帖」―目で味わったあとは……
正岡容と「ただ新粉」―作って遊ぶ、子どもの楽しみ
前川千帆と『偲糖帖』―忘れられぬ味を絵に
森茉莉と有平糖―私のプティット・マドゥレエヌ


和菓子の歴史年表
虎屋文庫紹介


コラム
●飛鳥~平安時代(五九二~一一八五)
砂糖と日本人
●鎌倉~室町時代(一一九二~一五七三)の菓子
●戦国~安土桃山時代(一四六七頃~一六〇三頃)
●江戸時代(一六〇三~一八六八)の菓子
盛大だった江戸幕府の嘉定
船橋屋の景品商法
江戸時代のレシピ本 菓子製法書の世界
山吹色の菓子
菓子木型
●近現代(一八六八~)の和菓子