名曲誕生 (CD付き) 時代が生んだクラシック音楽

価格
1,980円 (税込)
在庫: 在庫あり
解説: いくら天才といえども、ひとりで新しい音楽を生み出すことはできず、音楽は必ず時代の影響を受けている。時代を変えた音楽はどのように生まれたのか、名曲が生まれた背景にあった時代の変革とは。名曲をもとに世界史をひもとく。CD付き、名曲14曲から聴きどころを抜粋して収録。
ISBN:
978-4-634-18001-7
著者: 小宮正安 
刊行:
2014年3月
仕様: 四六判  ・  CD付き、328ページ
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目次:
はじめに
CD収録曲

第一章 ルネッサンスからバロックへ
   「個」の誕生と絶対君主の君臨
 1 オルフェオ モンテヴェルディ作曲(1607年)
  ルネッサンスの光と影がもたらした衝撃作
   ルネッサンス到来す/マドリガーレに映る新時代/オペラ誕生/
   楽器指定という価値転換/かけがえのない「個」の誕生/
   二つの時代の狭間で
 2 怒りの日 リュリ作曲(1683年)
  絶対君主の時代の響き
   グレゴリオ聖歌の変容/絶対君主を演出するバロック/
   カトリック教会が目指したもの/
   劇場的華美さにみる宗教界の陰り/したたかなり、教会勢力/
   絶対王政の黄昏
 3 コーヒー・カンタータ バッハ作曲(1732~1734年)
  聖と俗が隣り合う市民生活
   プロテスタントの誕生と新たな宗教音楽/市民の音楽、始動する/
   活発な教会、活発な作曲活動/なぜ教会人気は衰えなかったか/
   市民階級が愛したコーヒー/隣り合う聖と俗
 4 フルート・ソナタ フリードリヒ二世作曲(18世紀)
  君主の時代の黄昏の響き
   不毛の地プロイセン/父王との確執と音楽への情熱/
   「ロココ」の誕生/啓蒙思想とロココの関係/
   絶対的君主の時代の終焉/孤独と憂いのフルート・ソナタ

第二章 フランス革命
   市民階級の目覚めと伝統への反逆
 5 トルコ行進曲 モーツァルト作曲(1784年以前)
  価値転換をもたらした異色の音楽
   オスマン・トルコ襲来!/大司教との確執の果てに/
   風穴を開けるトルコ風音楽/意趣返しのピアノ・ソナタ/
   狭間の時代の市民のために
 6 戦時のミサ曲 ハイドン作曲(1796年)
  フランス革命の夢と現実の狭間で
   終曲『アニュス・デイ』の異様な雰囲気/
   ミサ曲の節度をかなぐり捨てて/ナポレオンへの期待と失望/
   大都市ロンドンでの体験/共存への夢/平和創出の知恵
 7 ウェリントンの勝利 ベートーヴェン作曲(1813年)
  忘れ去られたもう一つの「交響曲」
   ウェルズリーの勝利に熱狂/機械への憧れ/変遷を遂げる交響曲/
   生き方を訴えるメディアとして/「聖なるもの」を求めて 
 8 幻想交響曲 ベルリオーズ作曲(1830年)
  「個」への抑圧がもたらした奇奇怪怪たる世界
   魑魅魍魎がうごめく世界/私小説的な世界を描写する/
   挫折した革命/ロマン派の誕生/「孤高の芸術家」の真実

第三章 王政復古
   政治的抑圧と超絶技巧への熱狂
 9 ラ・カンパネッラ パガニーニ作曲(作曲年不明)
  世間を席巻した「超人」の音
   「ヴィルトゥオーゾ」とはなにか/ディレッタントのエリート意識/
   イタリアの混乱のなかで/反動体制下での爆発的人気/
   人々を魅了した「魔」の音楽
 10 ピアノ協奏曲ハ長調 チェルニー作曲(1827年頃)
  保守反動とマニュアルの時代に
   超絶、でも地味な協奏曲/ビーダーマイアー時代の作曲家/
   市販の教本、登場/マニュアルの時代/忘却の理由
 11 シチリア島の夕べの祈り ヴェルディ作曲(1855年)
    ローエングリン ワーグナー作曲(1850年)
  統一運動をめぐる格差
   ヴェルディ神話への疑念/統一運動の真実/
   本当に「愛国心」はあったのか/ワーグナーの場合/
   ドイツ統一運動への興味を失ったルートヴィヒ二世/
   「自分のため」のオペラがもたらす効果

第四章 ナショナリズムの高揚
   愛国心の芽生えと民族運動
 12 幻想的ワルツ グリンカ作曲(1856年)
  「本場」西欧への「辺境」の挑戦
   西ヨーロッパvs.東ヨーロッパ/ピョートル大帝の西欧信仰/
   ロシア的ワルツはなぜ生まれたか/憂鬱な単調の調べ/
   『憂いのワルツ』から『幻想的ワルツ』へ/「西欧化」という接ぎ木
 13 モルダウ スメタナ作曲(1874年)
  ドイツ化したチェコ人の目覚め
   ハプスブルク支配への反目/元皇帝のピアノ教師/三重帝国の夢/
   夢が終わり、民族運動が激化する/スメタナの苦悩
 14 大学祝典序曲 ブラームス作曲(1880年)
  学生運動の挫折とその後
   名誉博士号と引き替えに/市民の夢を投影したソナタ形式/
   ブルシェンシャフト運動の盛り上がりと挫折/
   「ドイツ帝国」存続のための役割/壊れたユートピア

第五章 世界大戦
   世紀末のはなやぎと産業革命の影
 15 交響曲第六番<悲劇的> マーラー作曲(1903~1904年)
  世紀末が生んだ「悲劇」とは?
   総監督としての輝ける日々/
   株価の大暴落が突きつけた社会の矛盾/息子の眼差し/
   風あたり強まる/形式と内容の異常な乖離
 16 ピアノのための組曲 シェーンベルク作曲(1921~1923年)
  現代音楽の不気味な夜明け
   調性音楽の破壊者/崩れゆく社会のなかで/壊すことへの欲求/
   古い価値観を引きずった新技法/超えられないパラダイム
 17 ボレロ ラヴェル作曲(1928年)
  オーケストラが描いた夢の破綻
   有名作曲家の従軍/愛国的行動がもたらしたもの/
   スペインの血筋/不安定な社会から抜け出せない/肉体を蝕まれて

第六章 クラシックの終焉
   アメリカの台頭とワールド・ミュージック
 18 ジャズ組曲第二番 ショスタコ-ヴィチ作曲(1950年代)
  粛正をかいくぐった音楽家の知恵
   混同された作品/ジャズへの開眼/粛清の嵐/
   権力者のさじ加減一つで/当局相手の頭脳ゲーム
 19 ロビン・フッドの冒険 コルンゴルト作曲(1938年)
  ヨーロッパが嫉妬と羨望の眼差しを向けたハリウッド音楽
   天才少年再来!/映画音楽への進出/ハリウッド映画への眼差し/
   サウンドトラックへの情熱/失意の帰郷
 20 トゥーランガリラ交響曲 メシアン作曲(1946~1948年)
  生の喜びが充満したワールド・ミュージック
   花開く異色の音響空間/教会の挑戦/
   戦争は泥沼化し、私生活は危機に/充溢する生のエネルギー/
   輝けるワールド・ミュージック

あとがき
参考文献
CD収録曲:
01 モンテヴェルディ
   歌劇 ~ トッカータ
02 リュリ
   怒りの日(ディエス・イレ)(抜粋)
03 バッハ
   コーヒー・カンタータ
      ~ 「おしゃべりはやめて、お静かに」「うちの娘ときた日には」
04 モーツァルト
   ピアノ・ソナタ第11番 イ長調 ~ 第3楽章「トルコ行進曲」
05 ハイドン
   ミサ曲第10番 ハ長調 ~ アニュス・デイ
06 ベートーヴェン
   ウェリントンの勝利(「戦争交響曲」) ~ 戦争(抜粋)
07 ベルリオーズ
   幻想交響曲 ~ 第1楽章「夢 - 情熱」(抜粋)
08 パガニーニ
   ヴァイオリン協奏曲第2番 ロ短調
      ~ 第3楽章「鐘のロンド(ラ・カンパネッラ)」(抜粋)
09 ワーグナー
   歌劇 ~ 第1幕への前奏曲
10 スメタナ
   交響詩(抜粋)
11 ブラームス
   大学祝典序曲(抜粋)
12 マーラー
   交響曲第6番 イ短調 ~ 第4楽章(抜粋)
13 シェーンベルク
   ピアノ組曲 ~ プレリュード
14 ラヴェル
   ボレロ(抜粋)