昔ばなし あの世とこの世を結ぶ物語

価格
1,980円 (税込)
在庫: 在庫あり
解説: 神話から昔ばなしへ、ときをこえて繰り返す物語に共通の世界観とは。絵本で親しんだ昔ばなしのもととなった各地の伝承から、豊穣をもたらす自然、避愿けられない死へのおそれを浮かび上がらせる。
ISBN:
978-4-634-15038-6
著者: 古川のり子 
刊行:
2013年5月
仕様: 四六判  ・  248ページ
このエントリーをはてなブックマークに追加
詳細をみる
目次:
はじめに
第一話 桃太郎 桃太郎はなぜ犬と猿と雉を連れていくのか
  なぜ桃から生まれたのか
  桃太郎の従者たち
  犬 - 英雄を導くもの
  猿 - 太陽を迎えるもの
  雉 - 出入り口を開けるもの
  婆さまのキビ団子
  あの世へ行かせるための食べ物
  この世に結びつけるための飯
  人間の味方にさせる力
第二話 かちかち山 トリックスター、稲羽の素兎の末裔たち
  残酷なのはタヌキか、ウサギか
  性格が変わったウサギ神
  トリックスターの役割
  稲羽の素兎の末裔たち
第三話 鬼の子小綱 笑いと性の力が春を呼ぶ
  お尻をたたくことの意味
  アマノウズメの裸踊り
  女性器の露出が笑いを生む
  子どもに尻をたたかれる花嫁
  鬼はなぜ殺されるのか
  節分の鬼退治のはじまり
  鬼の死体の効能
  害虫の起源
  鬼は死んで豆になる
  殺された鬼の正体
第四話 三枚の護符 便所はあの世の出入り口
  トイレが舞台の昔ばなし
  境界神としての便所神
  追いかける女、逃げる男
  和尚の正体
第五話 蛇婿入り 苧環はなぜ蛇を退治するのか
  糸の力
  男女を結びつける倭文の力
  秩序を織りなす運命の糸
第六話 鉢かつぎ姫 顔を覆い隠す花嫁
  鉢かつぎ姫 - 死と再生の物語
  姥皮 - 若がえり、結婚する
  花嫁、死者、赤子のかぶり物
  旅のしるし
  子どもを覆う袋
  米福粟福 - 袋つきの子どもたち
  袋子は不吉なのか
  袋を脱ぎ捨てて王になった神
第七話 一寸法師 脱皮する少年たち
  一寸法師 - 逆転したはちかづき
  タニシ息子 - たたきつぶされる少年
  脱皮する神
第八話 ホトトギスと兄弟 夜鳴く鳥の悲しい前世
  夏を告げる渡り鳥
  あの世の死者の声を伝える
  ホトトギスと兄弟 - 強欲な兄のなれの果て
  小鍋をめぐる対立
  ウグイスになった継子
  見るなの座敷 - ウグイスは山の神
  田に降りてくる山の神
  山の神の二つの顔
第九話 蛇女房 無欲と貪欲の報酬
  蛇女房 - けなげな嫁
  食わず女房 - 夫を喰らおうとする嫁
  食わず女房の正体
  夜の蜘蛛と朝の蜘蛛   
第十話 産神問答 魂を掃き出す箒の力
  出産を助ける神々
  境界を越えさせる呪具
  婚礼と葬式における役割
  なぜまたいではいけないのか
第十一話 ミソサザイは鳥の王 仁徳はいかにして聖帝になったか
  唯一、天皇名になった鳥
  太陽のミソサザイ、月のミミズク
  反逆するハヤブサ
  戦闘力を兼ね備えたモズ
第十二話 花咲爺さん お爺さんはなぜ犬の灰をまくのか
  犬はどのように現れたか
  金の糞をする犬
  宝だけではなく、狩りの獲物も
  死体から生まれる豊穣
  灰をまく意味
第十三話 浦島太郎 分断された乙姫の玉手箱
  千年前の物語
  連続から不連続へ
  永遠の生を表す「すばる星」
  分断されてしまった玉手箱
  なぜ浦島太郎は死ななければならないのか